多摩ニュータウンの中心的地域に位置し、小田急、京王、多摩都市モノレールの3路線が乗り入れている多摩センター駅。
小田急の駅名は小田急多摩センターで、唐木田駅が開業するまでは多摩線の終点となっていました。

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開業から現在まで、細かい変化を重ねてきた小田急多摩センターの今までを振り返りつつ、今後予想されることについても触れたいと思います。

少し遅れて開業した小田急多摩センター駅

1974年6月1日に開業した多摩線は、当初新百合ヶ丘から小田急永山までの部分開業でした。
約1年は小田急永山での折り返し運転が行われ、小田急多摩センターまでが開業するのは、1975年4月23日のことです。

京王は1974年10月18日に京王多摩センターを開業させており、小田急は少し遅れての開業となっています。
駅名は小田急多摩センターとされましたが、元々は多摩中央という駅名が予定されており、9000形の行先幕には多摩中央のコマが用意されていました。



開業当初からホームは10両分の長さとなっており、2面4線とするためのスペースも用意されていました。
副本線自体は設けられておらず、転落防止のための柵が設置されている状態でした。

多摩線の終点となっていたことから、新百合ヶ丘方には両渡り線が設けられており、ホームから直接列車が折り返していました。
当時の小田急で大規模な高架駅は珍しい存在でしたが、そのホームに停車しているのは2両や4両の古い車両が中心で、アンバランスな光景が日常的に展開されていたことになります。

繰り返される副本線の設置と撤去

小田急多摩センターでは、1985年3月10日から副本線の使用を開始しました。
開業から約10年を経過してからの使用開始となりましたが、待避線としての使用ではなく、車両を留置することを目的としたものでした。

副本線の使用を開始してから5年後、1990年3月27日には多摩線が唐木田まで延伸開業し、小田急多摩センターは終点ではない途中駅となりました。
途中駅とはなったものの、終点から1駅の位置にある駅であり、優等列車が走るようになった後も副本線を使用した待避は行われていません。
臨時列車等が副本線に入る機会がたまにありましたが、珍しい光景だったといえます。

2005年から2006年にかけて駅構内のリニューアルが行われ、現在のような綺麗な駅へと生まれ変わりました。
しかし、ほとんど活用されることがなかった副本線は、2006年に再び撤去されてしまい、開業時のような状態へと戻りました。
レールはそのまま残されていますが、本線との接続は切られており、完全に分断された状態となっています。

こうして再び使われなくなった副本線ですが、将来的に計画されている多摩線の延伸が実現した場合には、再度設置して活用することが想定されています。
延伸が本当に実現するのかは不透明な部分もありますが、副本線を設置したり撤去したり、なんとも忙しい駅ですね。

おわりに

新百合ヶ丘を除けば、最も多摩線内で栄えている駅といえる小田急多摩センター。
今後多摩線の延伸が実現した場合には、重要な中間駅としての役割も担うこととなりそうです。