近年は耳にする機会が多くなり、各社で導入が進んでいる発車メロディー。
JR東日本が積極的に導入を進めた結果、徐々に駅で鳴っていることは珍しくないものとなってきました。

小田急でも発車メロディーが鳴る機会はあるものの、導入は限定的となっており、他の鉄道会社とは状況が異なっています。

小田急で発車メロディーが鳴る駅

小田急を利用していると、発車メロディーを聞く機会自体は頻繁にあります。
しかし、実際には乗降促進放送という位置付けのもので、車掌の判断で使用するものとなっており、他社で使われている発車メロディーとは、若干性格が異なるものといえます。

メロディー自体は短く、どの駅でも同じものが鳴るため、変化を感じるものではありません。
車両の扉が閉まることを知らせる放送とセットになっており、発車を知らせるものではないことが分かります。

変わったケースとしては、常磐緩行線から乗り入れてくるE233系が車両から発車メロディーを鳴らすことがあり、JR東日本の駅で聞き慣れたメロディーが聞こえてきます。
これも使い方は乗降促進放送であり、車掌の判断で時折使用されています。

小田急で発車メロディーが聞ける駅としては、終点の小田原があります。
箱根八里が発車時に流れますが、これは箱根登山鉄道のものであり、箱根湯本方面に向かう列車が発車する際にのみ聞くことができます。

このような状況となっているため、小田急では発車メロディーを導入していないと表現するほうが適切かもしれません。
一方で接近メロディーの導入については積極的な部分があり、駅にちなんだ曲が使われているケースがあります。

なぜ小田急は固定の発車メロディーを導入しないのか

小田急が発車メロディーを導入しない理由は定かではありませんが、考えられる理由はあります。
そもそも小田急は発車ベルもほとんど使っておらず、日常的に聞けるのは新宿駅ぐらいです。
以前は終点の駅で鳴らしていましたが、近年は使われなくなってしまいました。

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発車ベルは下北沢や町田といった主要駅でも聞くことができますが、これは最終列車で鳴らされているもので、遅い時間にならないと聞くことができません。
そもそも発車の際に鳴らさないという姿勢が、発車メロディーが導入されないことにも通じています。

つまり、小田急は発車の際に何かを鳴らすということ自体に、積極的ではないといえるのです。
昔から発車ベルが鳴る駅は限られており、それも近年になって減っているということが、小田急の考えを示しているようにも思います。

似たような事例は過去にもあり、昔は扉を閉める際に車掌がホイッスルを使っていましたが、それもやめてしまいました。
現状としては、乗降促進放送があれば十分と考えているのかもしれません。

もう一つ、放送設備が関係している可能性もあります。
現在の仕組みは発車メロディーを途中で切ることに向いてなさそうなため、列車が遅延した際のことを考えると厳しいのかもしれません。
しかし、これは頑張れば解決できそうな問題ですから、発車の際に何かを鳴らすということ自体に消極的な可能性が高そうですね。

おわりに

駆け込み乗車をしないようにお願いする放送が昔から行われている等、小田急は以前から発車時の安全に注意を払ってきました。
発車メロディーによって駆け込み乗車が発生することを、避けているのかもしれませんね。