小田原線の新百合ヶ丘から分岐し、多摩ニュータウンへと向かって走る小田急の多摩線。
その多摩線の終点が、1990年に開業した比較的新しい駅である唐木田です。

以前は東京メトロの千代田線や、JR東日本の常磐緩行線内でも行先として頻繁に見られ、どこにある駅なのだろうと思った方もいるかもしれません。
本日の記事では、身近でなければ意外と知らない、唐木田駅の魅力をご紹介しましょう。

終点に車庫が併設されている唐木田駅

唐木田は小田急で69番目の駅として、多摩線の延伸に合わせて1990年に設置されました。
延伸によって多摩線の終点は唐木田となりましたが、喜多見検車区唐木田出張所(開業時は経堂検車区唐木田出張所)が併設されていることが最大の特徴で、小田急の終点としては唯一のパターンです。

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その車庫も特徴的なもので、周辺の地形から一段下がっていることから、留置されている車両を上から一望することができます。
周囲には歩道が整備された道路があるため、車庫を眺めながら散歩をすることも可能です。
侵入防止のための柵は当然設けられていますが、高低差によって車両が見やすい場所も点在しています。

先ほどの写真で奥にある2本の線路は、将来的な延伸に備えて本線の扱いとなっており、仮に相模原方面への延伸が実現した場合には、ここを車両が走ることとなります。
頻繁にではありませんが、車両の入出庫を見られるタイミングもあるため、そんな光景を眺めるのも楽しいものです。

終点らしい独特な配線

車庫の話題から入ってしまいましたが、後半は駅に戻りたいと思います。
終点で車庫が併設されているということもあり、唐木田はそれに合わせた独特な配線となっています。

ホームの配置は2面3線で、下り線がそのまま繋がる1番ホームが相対式、上り線側にある2番ホームと3番ホームが島式です。
3番ホームの隣には車庫から繋がる線路があり、時折入れ換えを行う電車が見られます。

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ホームの幅は比較的広く、立派な橋上駅舎となっていますが、駅舎は車庫側に寄っています。
そのために階段はホームの先端にあり、反対側に乗ってしまうと相当歩かされることとなります。

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各列車が発着するホームは明確に決まっていませんが、線内を折り返す各駅停車が1番ホームを、それ以外の列車は2番ホームを主に使います。
3番ホームを発着する列車もありますが、そこまで本数は多くありません。

折り返し列車が1番ホームを使うのは、配線の都合上車庫との入出庫ができないためでしょう。
将来的に本線となる部分を使って、1番ホームと2番ホームの入換は可能となっており、2番ホームから下り方向に進むことができるようにされています。
これが役に立つ日はいつになるのか、そもそも本当に実現するのかが気になるところです。

多くの乗客が手前の小田急多摩センターで降りてしまうため、唐木田はかなりのんびりとした雰囲気の駅となっています。
1駅だけですが、新宿方の車両に乗ればガラガラという状態になりますから、そんな乗車体験を楽しんでみても良いかもしれません。

おわりに

のんびりとした雰囲気の駅ながら、車庫があることで意外な面白さが満載の唐木田。
多摩線の列車に揺られながら、お散歩気分で訪れてみてはいかがでしょうか。