鉄道ファンを対象にした有料のイベントやツアーが、最近になって各社で開催されるようになってきましたが、この度小田急で開催された「小田急の電車撮影会 最後の4両未更新車オリジナルカラー編成」に参加してきました。
Odapediaとしては珍しい体験記となりますが、せっかくの機会でしたのでお付き合い下さい。

このツアーは、オリジナルカラーで残る最後の4両編成となった1051Fを使用し、乗車と撮影会がセットになった小田急ファンにはたまらない内容となっています。

唐木田から相武台前までの楽しい旅

1051Fを満喫するツアーの始まりは唐木田で、改札の前に10時30分の集合でした。
今回は普段から仲良くしている皆さんとの参加だったため、最近会えていなかったこともあり、久々の集合となりました。
到着してすぐに受付を済ませますが、出発までは少し時間があるとのことなので、近くで撮影等をして過ごします。

しばらくして出発時間となり、再集合して参加者は改札内へと入ります。
発着は1番ホームからで、4両が単独で入線する珍しい姿を撮影しつつ、到着した電車へと乗り込みました。
発車時間まで余裕があることから、参加者にはホームでの撮影が許可され、普段は見られない姿を撮りながら待つこととなります。

そして、発車前に大事な準備があります。
今回のツアーでは録音専用車両が設けられ、中間車の2両が機材専用となっており、多くの参加者が録音を行います。
録音のために空調が切られており、素晴らしい環境での録音をすることができました。

録音の準備が整った頃、1051Fは大勢のファンに見守られながら唐木田を出発しました。
多摩線内は先行列車の関係でスピードが出せないものの、窓から入ってくる風が心地良く感じます。
しかし、乗車を楽しんでいると、栗平を通過してすぐに残念な事件が発生しました。

あまり触れたくはないのですが、このような行為は絶対にやめてほしいため、あえて書きます。
柵の中に入って、鉄道敷地内で撮影する2人組がいたため、非常制動を使用しての緊急停止が発生しました。
犯人はすぐにその場から逃走しましたが、その姿は車内からも確認できました。

多くの方が沿線でルールやマナーを守って撮影し、参加者が楽しんでいる状況を、たった2人が壊してしまいました。
このようなことをしておいて、鉄道を好きですなんて言う資格はありませんし、鉄道ファンですらなくただの犯罪者です。
この記事を読まれた方が、このような行為をされないことを心から願っています。

安全確認を行って運転は再開され、列車は新百合ヶ丘を通過して小田原線に入ります。
ここからはスピードが出せるようになり、普段は客を乗せてこの区間を走ることはない4両編成の列車は、快調に新宿を目指します。
新宿ではロマンスカーが発着する1号線に到着し、待ち構えていた撮影者が一斉にシャッターを切っていました。

しばらく新宿に停車した列車は、折り返して相武台前を目指します。
下りも快調に走行し、通勤型車両で特急のような走りを参加者は満喫することとなります。
成城学園前を通過して録音専用車両は終了となり、機材を片付けつつ残りは相武台前までの乗車を楽しみます。

列車は順調に走り、普段は8両や10両で乗る区間を4両で楽しみつつ、相武台前が近付いてきます。
相武台前では1番ホームに到着し、少し慌ただしく下車すると、少しだけホームに停車する車両を撮影することができました。
1051Fは相武台前を出発して海老名まで行き、そこで折り返して相武台前に戻ってきます。
戻ってきた車両は撮影に適した位置で停車し、いよいよ撮影会の開始です。

最初から最後まで楽しめた撮影会

今回のツアーの目玉企画である相武台前での撮影会では、参加者が四つのグループに分けられました。
撮影位置がローテーションで変わるようになっており、編成写真や形式写真が順番に撮影できるように考えられています。

どの位置でも一度幕回しが行われ、様々な行先幕を撮ることができるようになっていたほか、乗車中にアンケートが行われ、要望が多かった種別幕と行先幕の組み合わせを3パターン表示して下さいました。
私が希望した通勤準急の綾瀬行きは見事に選ばれ、他に急行の秦野行き、快速急行の箱根湯本と片瀬江ノ島行きの分割幕が表示されました。
サプライズとして多摩急行がデビューした際に使われたヘッドマークも登場し、通勤準急の綾瀬行きが表示される際に掲出されています。

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そして、新宿方には湘南急行がデビューした際のヘッドマークが常時掲げられ、逆光ながら楽しめるように配慮されていました。
こちらは比較的自由に撮影することが可能で、参加者は色々と楽しみながら撮影をしていた印象です。

今回の撮影会ではもう一つのサプライズが用意されており、隣にはワイドドア車の1756Fが配置されていました。
残り2編成となったワイドドア車を絡めての撮影も可能で、まさに至れり尽くせりといった状況です。
楽しい時間はあっという間に終わり、太陽がどんどん傾いてきた頃に終了となりました。

おわりに

どのような撮影会になるのかを楽しみにしていましたが、想像を超える配慮とサプライズが用意された素晴らしいツアーでした。
参加している方のマナーも素晴らしく、譲り合いながら落ち着いて撮影をすることができました。

この場をお借りして、素晴らしいツアーをご用意いただいた関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。
このような楽しいツアーが今後も開催され、多くの鉄道ファンが楽しめることを、一人の小田急ファンとして心から願っております。