小田急には70の駅がありますが、その中で1日の平均乗降人員が二番目に多いのが、今回ご紹介する町田駅です。
少し離れてはいるものの、JR東日本の横浜線との乗り換えが可能で、駅の周辺には大規模な商業施設が沢山あります。

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多くのバスも発着し、終日に渡って乗降客で賑わう町田ですが、小田急の運転上においても色々な役割を担う重要な駅となっています。

周辺の主要駅をサポートする町田駅

町田自体も主要駅ではありますが、小田急線内ではやや特殊な立ち位置となっています。
それは支線が分岐する主要駅に挟まれているという点で、多摩線が分岐する新百合ヶ丘と、江ノ島線が分岐する相模大野の間にあります。
相模大野は隣の駅でもあり、町田は江ノ島線とも密接な関係がある駅となっているのです。

多摩線をサポートするものとして、上りについては各駅停車が優等列車を待避することが、現在のダイヤ上においては重要な役割となっています。
これがどう関係しているのかというと、新百合ヶ丘で快速急行と急行が急急接続を行うためです。

1時間に3本程度の急行が多摩線には走っていますが、上り列車については新百合ヶ丘で小田原線の快速急行と接続を行います。
小田原線を走る快速急行と急行も新百合ヶ丘で接続をしますが、この場合は先行する急行が快速急行に追い抜かれます。
これらの急急接続のために、新百合ヶ丘で各駅停車は優等列車を待避できず、町田で追い抜いてもらう必要があるということになるのです。

江ノ島線をサポートするものとしては、昔より本数は減ったものの、町田で折り返す列車が設定されています。
現在はラッシュ時を中心に見ることができますが、これは相模大野で江ノ島線の折り返し列車が長時間停車することを避ける効果や、引き上げ線が埋まっているタイミングでの逃げ場ともなっており、降車の確認等を町田で行うことで、相模大野に多少の余裕を生み出しているといえます。

小田原線の遠距離利用客を集約する役割

若干都心寄りですが、小田原線の中心的な位置にあることも町田の特徴です。
乗降人員が多く、位置としてもそのような特徴を備えていることから、中間駅としては停車するロマンスカーの本数が多く、通過する列車のほうが少なくなっています。

海老名や本厚木等にもロマンスカーは停車しますが、タイミングが合わない場合には、町田に停車する列車であればそれほど待たずに利用できるため、遠距離の利用者にとっては欠かすことがない存在の駅となっています。
快速急行が10分単位で来るようになるのは相模大野ですが、各駅停車が町田で快速急行と接続している点を考慮すれば、この付近の乗客を特急や快速急行に集め、都心へと輸送する役割を担っているともいえるでしょう。

以前の町田は、江ノ島線の列車が折り返すことや、たまに各駅停車が優等列車の待避をする程度の地味な役割を担っていましたが、列車の本数が増加したことや、都心から離れた地域の発展が進んだことで、近年は役割が変わってきました。
派手さはありませんが、小田急の輸送を支える重要な役割を担うようになったということなのでしょうね。

おわりに

終日に渡って多くの乗客が利用する町田は、小田急の輸送を支える重要な駅でもあります。
ロマンスカーの停車する本数も多いため、都心からの距離以上に利用しやすい駅といえそうです。