後輩の1000形が次々に廃車となる中、現在も142両が在籍している8000形。
徹底的なリニューアルが行われたことが幸いし、まだしばらくは活躍が続くと考えられます。

小田急としてはかなり長寿となりそうな8000形は、いつ頃まで走ることができるのでしょうか。

約11年を要した8000形のリニューアル

2002年度から開始された8000形のリニューアルは、完了まで約11年を要しました。
それ以前の車両と比較して、リニューアルの内容が大規模化していることが原因とみられ、こんなにも長期間に渡ってリニューアルが行われた形式は過去にありませんでした。

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リニューアルを行った期間が長いことで、8000形には仕様差が多く生まれることとなり、編成ごとの違いが多くある状態となりました。
初期にリニューアルが行われた2編成は界磁チョッパ制御のままとされたものの、その後は全ての編成がVVVFインバーター制御に改造されており、3000形や4000形と基本的な仕様が合わせられています。

界磁チョッパ制御の編成は既に廃車となっており、現在も残っている編成は全てVVVFインバーター制御となっています。
リニューアルを終えてから10年と経過していない編成もあり、まだしばらくは活躍する姿が見られそうです。

8000形はいつ頃まで走ることができるのか

普通鋼製車体の8000形ですが、足回りは一新されており、車体の状態もそこまで悪くはなさそうに見えます。
しかし、最も古い編成は1983年、新しい編成でも1987年の製造となっており、34年から38年が経過している状態です。
過去に小田急の車両が廃車となった時期に到達しており、時期としてはいつ廃車となってもおかしくないといえます。



5000形には、結果として長生きをすることになった編成が存在し、40年以上使われたケースもありますが、それはあくまでも一部の編成です。
このことからも、8000形が相当特殊なケースとなってきていることが分かります。

その一方で、リニューアルを終えてからの年数では、まだそれほど経過していない編成も存在します。
最も年数が経過している8254Fが約17年、最後にリニューアルが行われた8059Fは約7年しか経っていないのです。
足回りだけであれば、2000形や3000形の初期の編成のほうが古いということにもなります。

VVVFインバーター制御に改造され、足回りが一新されていることから、搭載している機器の面では廃車を急ぐ理由はないといえます。
車体の状態が心配ではあるものの、外見上はそこまで酷い状態でもなさそうです。
8254Fが約17年を経過しても走っていることを考慮した場合、単純に考えても8059Fはまだ10年以上走ることができます。

さすがに単純に考えすぎだとは思うものの、10年ぐらい経っても残っている編成はありそうな気がします。
仮に廃車を進める場合でも、ハイペースで行う必要はないでしょう。
搭載する機器としては、2000形や3000形の初期車のほうが古く編成数も限られますから、次に置き換えられるのが8000形ではない可能性すらありそうです。

おわりに

1000形の未更新車が全て廃車となった場合、その後も他形式の置き換えを進めるのかが、徐々に気になるタイミングとなってきました。
まだまだ走れそうな8000形を今後も使うのか、それとも5000形と交代させるのか、現在の台所事情も含めて気になるところです。