ケイプアイボリーの車体にロイヤルブルーの帯を巻いた車両、その姿が一昔前の小田急では当たり前でした。
現在は8000形のみがその姿を残していますが、多くはステンレス車体の車両になり、帯の色やデザインのバリエーションが増えてきました。

近年は例外が生まれつつありますが、小田急の帯は幅が太いことが特徴で、小田急といえば青くて太い帯というイメージが定着しています。
しかし、この帯は細くなっていた可能性もあったようです。

太くて安定感のあるロイヤルブルーの帯

小田急の車両で最初にロイヤルブルーの帯を巻いたのは、2600形の2655Fでした。
新塗装の採用は5000形の登場に合わせたものですが、先行して2600形の塗装変更が行われたためです。

形式として最初に新塗装を採用したのは5000形で、従来車の塗装変更も行われ、順次旧塗装は見られなくなっていきました。

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塗装変更当時は、1700形以降の全ての車両が新塗装化され、ケイプアイボリーにロイヤルブルーの帯を巻く姿が、小田急の通勤型車両の標準となりました。
ロマンスカーの派手な塗装に対して、シンプルで飽きないデザインだったといえます。

このカラーリングは8000形まで採用が続けられますが、車体がステンレスとなったことで1000形からは無塗装となり、銀にロイヤルブルーの帯という姿の車両が増加していきます。
4000形からは帯の色がインペリアルブルーに変更され、その後従来の車両にも波及しつつあります。
5000形からは2色の帯を巻くように変わり、太い一本の帯という原則がついに崩れました。

細い帯を巻いていたかもしれない小田急の車両

最近になって5000形という例外が発生してはいるものの、小田急は一貫して太めの帯を巻いてきました。
色については、ロイヤルブルーの時代にも変化していますが、太さだけは30cmという原則を貫いてきたのです。
1700形や1900形には、通常より若干幅が細いというケースはありましたが、太い帯という原則は守られていました。

小田急がこのカラーリングを採用した当時、帯を巻く場合には細いというのが一般的でした。
京王や京浜急行をイメージすると、分かりやすいかもしれません。

塗装の変更を検討する際、細い帯とする案が当初はあったようですが、当時の社長の提案によって太い帯となりました。
トップダウンといえばそうなのかもしれませんが、とても良い選択をしたといえそうです。
もしも小田急の車両が細い帯を巻いていたら、どのような姿になっていたのかも気になるところですね。

おわりに

太い帯を巻くということが当たり前だった小田急の通勤型車両。
5000形からは2色の細めの帯が巻かれるようになりましたが、この先はどのようになっていくのでしょうか。