少しずつではあるものの、徐々にホームドアが設置された駅が増えてきた小田急線。
運用している車両の都合で一気には進められない事情がありましたが、それらが解消しつつあることで、徐々に設置のペースが加速しそうな状況となってきました。
今後小田急ではどのようにホームドアが整備されていく予定なのか、最新の状況を整理してみたいと思います。
快速急行や急行が発着する4番ホームと5番ホームに設置されたもので、国や自治体の補助を活用して導入されました。
この時点では限定的な導入であり、本格的な導入に向けた検討を進めるための、試験的な要素が強いものでした。
ホームドアが設置されたことで、扉の位置が合わない1000形のワイドドア車のような車両には、この時点で運用上の制限が発生しました。
小田急にはロマンスカーのように規格から外れる車両も多く在籍しており、本格的に導入するためにはこれらの車両を整理する必要があったのです。
そして、ホームドアを設置することで、車両を駅に停止させる際の位置に精度が求められるようになることも、小田急が導入を一気に進められなかった理由です。
車両が駅に停車した際、ホームと車両のドアの位置がずれていると、ドアを開けることができません。
ホームドアがなければ問題がなかったずれでも停止位置を直す必要が生じるため、列車の遅延にも直結してしまうのです。
そこで、定位置停止装置(TASC)を導入し、車両が駅に停車する際の停止位置の精度を高めることが一般的で、小田急でも導入が進められています。
この装置自体の導入に時間が必要だったことに加えて、導入の相性が悪い電磁直通ブレーキを使用した車両が多数在籍していたことも、小田急で本格的に導入が進められなかった理由でした。
現在までに設置が済んだ駅は以下のとおりです。
・新宿(4・5番ホーム)
・代々木八幡
・代々木上原
・東北沢
・下北沢
・世田谷代田
・梅ヶ丘
・登戸
このように、都心部の駅が中心となっており、複々線化と絡めることで設置がしやすかったことも背景にありそうです。
優先度が高い乗降客が多い駅や、ホームが狭い駅よりも先に設置されたのは、現実的に設置が可能な駅を優先したということなのでしょう。

そんな状況の中、小田急では2019年度から5000形を増備することで、ホームドアの導入に支障がある車両の置き換えを進めてきました。
小田急において、ホームドアの導入に支障があるとみられる車両は以下のとおりです。
・8000形(界磁チョッパ制御車)
・1000形(未更新車)
・1000形(ワイドドア車)
・7000形
・50000形
このように、ここ数年で廃車となった車両が多く含まれており、それらの整理を進めてきたことが分かります。
ロマンスカーを除いた通勤型車両の整理はあと一歩のところまできていることから、2022年度からはホームドアの設置が本格化することが予想されます。
現時点において、今後ホームドアを設置することが発表されている駅は、以下のとおりとなっています。
・新宿(8・9番ホーム)
・町田
・相模大野
・海老名
・本厚木
・中央林間
・大和
既に設置の準備工事が始まっている駅があり、新宿は2021年度内に設置が完了する予定です。
その他の駅は2022年度以降とされていますが、比較的早いペースで設置が進められるのではないでしょうか。
小田急は1日の利用者数が10万人以上の駅を優先すると発表しており、この条件に該当する新百合ヶ丘と藤沢についても、時期は未定ながら設置が検討されています。
現時点で発表されている情報は以上ですが、車両面の整理が進んだことで、ホームの補強等が必要といったハードルはあるものの、設置はしやすくなりつつあります。
計画が発表されていない駅についても、今後具体的な計画が発表され、設置が進められていく可能性が高いといえそうです。
導入に向けた前提条件が小田急では整いつつあり、今後設置が加速する可能性が高くなってきました。
運用している車両の都合で一気には進められない事情がありましたが、それらが解消しつつあることで、徐々に設置のペースが加速しそうな状況となってきました。
今後小田急ではどのようにホームドアが整備されていく予定なのか、最新の状況を整理してみたいと思います。
小田急でホームドアの整備が進まなかった背景
小田急で最初にホームドアが設置されたのは新宿駅で、2012年のことでした。快速急行や急行が発着する4番ホームと5番ホームに設置されたもので、国や自治体の補助を活用して導入されました。
この時点では限定的な導入であり、本格的な導入に向けた検討を進めるための、試験的な要素が強いものでした。
ホームドアが設置されたことで、扉の位置が合わない1000形のワイドドア車のような車両には、この時点で運用上の制限が発生しました。
小田急にはロマンスカーのように規格から外れる車両も多く在籍しており、本格的に導入するためにはこれらの車両を整理する必要があったのです。
そして、ホームドアを設置することで、車両を駅に停止させる際の位置に精度が求められるようになることも、小田急が導入を一気に進められなかった理由です。
車両が駅に停車した際、ホームと車両のドアの位置がずれていると、ドアを開けることができません。
ホームドアがなければ問題がなかったずれでも停止位置を直す必要が生じるため、列車の遅延にも直結してしまうのです。
そこで、定位置停止装置(TASC)を導入し、車両が駅に停車する際の停止位置の精度を高めることが一般的で、小田急でも導入が進められています。
この装置自体の導入に時間が必要だったことに加えて、導入の相性が悪い電磁直通ブレーキを使用した車両が多数在籍していたことも、小田急で本格的に導入が進められなかった理由でした。
現在の設置状況と今後の計画
車両面での課題はあるものの、車両の運用を工夫することや、運転士の腕に頼ることで、一部の駅に対してホームドアの設置が進められてきました。現在までに設置が済んだ駅は以下のとおりです。
・新宿(4・5番ホーム)
・代々木八幡
・代々木上原
・東北沢
・下北沢
・世田谷代田
・梅ヶ丘
・登戸
このように、都心部の駅が中心となっており、複々線化と絡めることで設置がしやすかったことも背景にありそうです。
優先度が高い乗降客が多い駅や、ホームが狭い駅よりも先に設置されたのは、現実的に設置が可能な駅を優先したということなのでしょう。

そんな状況の中、小田急では2019年度から5000形を増備することで、ホームドアの導入に支障がある車両の置き換えを進めてきました。
小田急において、ホームドアの導入に支障があるとみられる車両は以下のとおりです。
・8000形(界磁チョッパ制御車)
・1000形(未更新車)
・1000形(ワイドドア車)
・7000形
・50000形
このように、ここ数年で廃車となった車両が多く含まれており、それらの整理を進めてきたことが分かります。
ロマンスカーを除いた通勤型車両の整理はあと一歩のところまできていることから、2022年度からはホームドアの設置が本格化することが予想されます。
現時点において、今後ホームドアを設置することが発表されている駅は、以下のとおりとなっています。
・新宿(8・9番ホーム)
・町田
・相模大野
・海老名
・本厚木
・中央林間
・大和
既に設置の準備工事が始まっている駅があり、新宿は2021年度内に設置が完了する予定です。
その他の駅は2022年度以降とされていますが、比較的早いペースで設置が進められるのではないでしょうか。
小田急は1日の利用者数が10万人以上の駅を優先すると発表しており、この条件に該当する新百合ヶ丘と藤沢についても、時期は未定ながら設置が検討されています。
現時点で発表されている情報は以上ですが、車両面の整理が進んだことで、ホームの補強等が必要といったハードルはあるものの、設置はしやすくなりつつあります。
計画が発表されていない駅についても、今後具体的な計画が発表され、設置が進められていく可能性が高いといえそうです。
おわりに
ホームでの安全を確保する切り札ともいえるホームドア。導入に向けた前提条件が小田急では整いつつあり、今後設置が加速する可能性が高くなってきました。
コメント
コメント一覧 (21)
ワタシダ
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京王線は一部の駅のホームに柵が設置されているのですが、ホームドア化に伴う布石なのでしょうか。ちなみに京王線は特急・準特急が高速通過する駅(笹塚、仙川、東府中)、ホーム幅の狭い分倍河原駅では設置する必要性は高いと思います。
ワタシダ
が
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ホームドアの導入に支障があるとみられる車両の7000形は70000形ですか?
50000形は車両の長さもあって置き換えかもしれませんが、70000形はどうなるのでしょう?……
ワタシダ
が
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他の駅ではホームドアが設置済みの所もあったので、運転されている方も慣れているものだと思っていたので意外でした。
ワタシダ
が
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ホームドアの幅が取れれば…というわけにもいかないのですかね?
ワタシダ
が
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ワタシダ
が
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ホームの端は捕まるところがないので、視覚障害者はもとより、一般の方でもめまい等でふらつくケースもあり(実際、私の友人の母親はそれで転落死)、捕まるものがあるだけで、相当安全性は向上すると思うのですが。
また、駅での電車の発車の際、黄色い線の「外側」を歩いている人のため発車ができず、車掌が注意するのが日常化していますが、ホーム柵があれば、そもそもその領域を歩行不可能となりますし。
ワタシダ
が
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ワタシダ
が
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車両面についてですが、今後1000形ワイドドア車が全廃されると次に危うくなるのはVSEであり、もし廃車となればHiSEやRSEの二の舞になることは避けられないでしょう。もし今後VSEを継続使用するのであれば、近鉄大阪阿部野橋などで試用された昇降式ホーム柵とかを導入するのは如何でしょうか(JR西日本高槻にてこのタイプのホームドアが本格採用されとります)?
ワタシダ
が
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後は最近に参宮橋駅をリニューアルした際に、ついでにホームドアを着けなかったことは、理解ができません。
代々木八幡駅、東北沢、世田谷代田にホームドアが設置されたのは、いずれも島式ホームであることが影響しているでしょう。
列車との接触防止が目的ではなくて、視覚障害者がホームから転落するのを防止するのが目的なように思います。
ワタシダ
が
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ワタシダ
が
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ホームドアの導入により、1000形未更新車、ワイドドア車が淘汰されていますが、VSEはどうなるのでしょうか?
このまま新型車両に置き換えるか、ホー厶ドアを改良して残すか、今後が気になるところです。
ワタシダ
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問題は一体どういう形態の大開口を採用するのかですが…
ワタシダ
が
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どの電車もホームへの進入速度は低いので、
他の駅よりもホームドア設置優先度は低いと思う。
ホームドアよりも全ホームの10両編成が対応が優先度が高いと思う。
藤沢駅近辺の駅に限って言えば、
乗降客数は藤沢駅よりもずっと少ないのだが
登り坂手前で多くの通過電車が速度を上昇させながら通過する藤沢本町駅と善行駅の上りホームに設置した方が設置する意義があると思う。
ワタシダ
が
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また、「鉄道と電気技術」2019年12月号の記事でも、多種の特急車に対応する大開口のホームドア設置を要する、という旨の記載があり、このためにホームドアを理由としたロマンスカーVSEの引退
ワタシダ
が
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