最盛期には180両が在籍し、主に急行用として活躍した小田急5000形。
2006年から廃車が始められ、2012年までに全車が廃車となりました。

何らかの計画変更があったのか、編成によって在籍年数に大きな差が生じることとなった5000形の廃車は、どのような順序となっていたのでしょうか。

5000形の各編成が廃車となった順序

4000形や9000形よりはペースが落ちたものの、2600形から続く通勤型車両の置き換えは5000形にも続きました。
4両が15編成、6両が20編成、合計180両が在籍する大所帯の5000形でしたが、約6年間で全ての車両が廃車となり、嫌というほど走っていた小田急顔の車両は過去のものとなったのです。

5000形は長期間に渡って増備されたため、編成によって車齢にはかなりの開きがありましたが、古い車両を優先して置き換えるといった状況ではなかったため、結果として長寿となった編成と、逆に短命に終わった編成がありました。
以下は廃車となった順番で各編成を並べたもので、記載している日付は各編成の廃車日、括弧内は在籍した年数です。

5259F:2006年5月22日(26年)
5261F:2006年8月1日(26年1ヶ月)
5252F:2006年8月23日(28年7ヶ月)
5257F:2006年11月13日(27年4ヶ月)
5253F:2007年5月2日(29年3ヶ月)
5051F:2007年5月25日(37年7ヶ月)
5052F:2007年6月19日(37年6ヶ月)
5251F:2007年9月3日(29年7ヶ月)
5265F:2007年10月11日(26年4ヶ月)
5260F:2007年10月24日(27年4ヶ月)
5254F:2007年11月20日(28年11ヶ月)
5262F:2008年2月22日(27年7ヶ月)
5055F:2009年5月12日(38年7ヶ月)
5267F:2009年7月2日(27年2ヶ月)
5269F:2009年7月29日(27年2ヶ月)
5057F:2009年8月12日(38年10ヶ月)
5266F:2009年9月29日(27年6ヶ月)
5058F:2009年10月16日(39年)
5059F:2009年11月2日(38年6ヶ月)
5264F:2009年11月12日(28年5ヶ月)
5053F:2010年9月9日(40年9ヶ月)
5061F:2010年9月22日(39年5ヶ月)
5263F:2010年10月14日(29年5ヶ月)
5056F:2010年10月30日(40年)
5270F:2010年11月11日(28年5ヶ月)
5054F:2010年12月6日(41年)
5062F:2011年1月7日(39年8ヶ月)
5060F:2011年1月20日(39年9ヶ月)
5268F:2011年1月31日(28年9ヶ月)
5256F:2011年5月19日(31年11ヶ月)
5064F:2011年8月9日(34年8ヶ月)
5258F:2011年9月26日(32年2ヶ月)
5065F:2011年10月19日(33年11ヶ月)
5255F:2012年1月10日(33年1ヶ月)
5063F:2012年5月11日(35年5ヶ月)

編成順ではこのような順序となりますが、2007年に6両の編成を4両化した際、中間車が2両ずつ廃車となっています。
在籍した年数が編成によってかなり異なり、明暗が分かれる結果となりました。

新しい6両の編成から廃車となった5000形

廃車の順序については、以前もまとめたことがあるため、今回は在籍年数の差に注目してみたいと思います。
最も短い編成が26年、長い編成は41年となっており、その差は15年もあるのです。

20190721_04

僅か26年で廃車となってしまったのは、6両の編成だった5259Fです。
5000形の廃車は6両からスタートしたため、結果として短命となった編成は6両に集中しています。

4両の5051Fから5062Fまでが登場した段階で、9000形を増備するために5000形の増備は中断されました。
9000形の増備後は、5063Fから5065Fまでが登場し、その後は6両の5251Fから5270Fまでが増備されています。
つまり、4両の編成が古く、6両の編成が新しいというのが、5000形の特徴だったということになります。
廃車は6両のほうが先に開始され、しばらくしてからは4両についても並行されますが、全体的には6両が短命、4両が長生きするという傾向になっています。

20200118_05

41年もの長期間に渡って活躍したのは、4両の5054Fでした。
1次車として登場したこの編成は、2010年の終わりまでその姿を見ることができました。
ちなみに、4両の編成で最も短命となったのは、最終増備車であった5065Fの33年11ヶ月、6両の編成で最も長生きをしたのは、4両化されて最後まで残った5255Fの33年1ヶ月でした。

おわりに

廃車の順序によって、在籍年数に大きな差が生まれることとなった5000形。
6両はリニューアルが済んだばかりの編成も多く、当時はさすがにもったいないと感じたものでした。