2019年度に5000形が登場したことで、通勤型車両の整理が進められている小田急。
1000形の未更新車を中心に置き換えが進められ、ほとんどの編成が姿を消してしまいました。

最後まで残る1000形の未更新車は6両の編成となりそうですが、5000形を10両で増備する場合には、廃車候補となる4両が1000形にはなさそうな状況となってきました。
このような状況の中で、8000形や3000形が車両の置き換えに絡んでくる可能性を、今回は考えてみたいと思います。

各形式に存在する半端な編成

通勤型車両での分割併合が廃止されたことで、8両や10両の固定編成が小田急では増加しました。
4両や6両を併結した列車はかなり少なくなり、8000形同士でまとまった数が残っている以外は、僅かな数しか見ることができないものとなりつつあります。

その一方で、異なる両数の編成が存在する形式では、それぞれの編成数に差が生じていることで、半端な編成が発生しています。
少数ながら異形式の併結が残っているのはこれが原因であり、現在の小田急では貴重な存在となりつつあるのです。

現在の小田急では、8000形、1000形、3000形にのみ、併結に対応した編成が存在します。
昔に比べるとかなり少なくなっており、固定編成化が進んだことが分かります。

8000形は、4両と6両が16編成ずつ増備されましたが、界磁チョッパ制御のままリニューアルが行われた6両の8251Fと8255Fが先行して廃車となり、8264Fも踏切事故で損傷したため廃車となりました。
6両が3編成廃車になったことで、4両が3編成多くなっている状況です。

1000形はリニューアルと廃車によって、4両と10両に再編されつつあります。
そのような整理が進められる中、ノーマルドアの6両が3編成だけ残っており、3000形等に混ざって単独運用で使われています。

3000形には半端な編成がありませんが、まとまった数の6両が在籍しているため、8000形や1000形の4両と併結して、10両で運転する役割を担っています。
短い編成が増備された最後の形式が現状は3000形となっており、その後登場した4000形や5000形は全てが10両固定編成となっています。

キーワードは3編成

まだ一部で異形式の併結が残っているものの、小田急がこれをやめる方向であり、固定編成化を進める方針なのは間違いないといえます。
そこでポイントになりそうなのが、3編成というキーワードです。

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これがどういうことなのかというと、8000形の4両で半端となっているのが3編成であり、結果として8000形と併結しなければいけない3000形も3編成となります。
そして、ノーマルドアの1000形で6両のまま残っているのも3編成です。
これらの中から、8000形と1000形の3編成ずつを廃車して10両固定編成に置き換え、捻出した3000形の6両を単独運用に入れれば、異形式の併結を一気に減らすことができます。

さらに、これによって12編成が在籍する3000形の初期車を、全て単独運用に充当できるようになるため、色々な面で分かりやすくなるといえそうです。
8000形の4両には、クヤ31形の牽引車という新たな役割が与えられましたが、検測で8000形が使用されるタイミングでは、1000形と3000形の併結を一時的に増やすことで対応が可能です。

このように整理を進めることで、異形式の併結は1000形と3000形のみとなり、運用の見直しが仮に行われれば、これらもほとんど見ることができなくなる可能性があります。
小田急における異形式の併結は、少しずつ最終章へと向かっているのかもしれません。

おわりに

3編成というキーワードが、これからの置き換えには深く関わってくると考えられる小田急。
来年の今頃は、さらに車両の整理が進んでいるのかもしれませんね。