鉄道が道路と交わるうえで、不可欠となっている施設が踏切です。
安全性を高めるため、近年は減る一方の施設ではありますが、小田急にも多くの踏切が残っている状態です。

小田急には現在229ヶ所の踏切がありますが、その中に上下線の間にも警報灯が設置されている面白い踏切があります。
今回はその踏切をご紹介したいと思います。

上下線の間に真っ黒な警報灯がある踏切

小田急の踏切は、黒と黄色が交互に配色された、一般的な姿をしています。
安全性を高めるため、踏切はその存在が分かるように、目立つ色である必要があり、日本産業規格(JIS)でも配色が決められています。

当然警報灯も目立つ配色になっていますが、東海大学前7号踏切には、その存在を目立たなくする真っ黒な警報灯が設置されています。
まずはその不思議な姿を見ていただくことにしましょう。

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真っ白な50000形(VSE)を絡めることで、真っ黒な警報灯の存在がよく分かります。
警報灯は上下線の間にあることも特徴で、踏切の中に設置されているという点でも珍しい存在です。
踏切の外側にも一般的な警報灯は設置されており、それらは通常の配色となっています。

なぜ真っ黒な警報灯が設置されているのか

このような面白いものが見られる理由は、東海大学前7号踏切の立地が関係していると考えられます。
踏切の近くは、単線のトンネルが2本並んでいる状態となっているため、それによって上下線が離れているのです。

立地に関しては他にも特徴があり、踏切は線路に対して斜めに横切っているため、通常より長さがある状態となっています。
2本の線路を跨ぐ踏切でありながら、上下線の間が離れており、斜めに横切ることで通常より長いものとなっています。

このような事情があることから、上下線の間にも警報灯を設置することで、視認性を高めているのだと考えられます。
しかし、通常と同じ配色にしてしまうと、誤ってその位置まで車を進めてしまう可能性があると考えたのでしょうか、警報灯は真っ黒な目立たないものとなっているのです。
普段はその存在を主張せず、点灯時だけ存在が浮かび上がってくる、そんな配色となっているのでしょうね。

おわりに

通常とは違う配色で、一瞬不思議にも感じてしまう東海大学前7号踏切の警報灯。
長い駅間の中間地点にあるため訪れるのは大変ですが、一度見てみる価値はあるかもしれません。