複々線化事業が完了し、ラッシュ時を中心にスピードアップと混雑の緩和が図られた小田急。
平行ダイヤによって苦しい輸送が行われていた過去と比較すると、夢のような状況にまで改善されました。

とにかく走るのが遅かった昔のラッシュ時は、どれぐらいの所要時間がかかっていたのでしょうか。

現在の朝ラッシュ時の所要時間

複々線化の完了によって、朝ラッシュ時の小田急はとても速く走れるようになりました。
快速急行や通勤急行のような種別が走るようになり、着席して通勤ができるモーニングウェイ号も設定されています。

現在の朝ラッシュ時において、新百合ヶ丘から新宿まではどれぐらいの時間がかかるのか、快速急行と通勤急行で見てみたいと思います。
対象は新宿に平日の7時台に到着する列車としています。

快速急行(3504レ):25分
通勤急行(3800レ):28分
快速急行(3006レ):27分
快速急行(3506レ):28分
通勤急行(3802レ):31分
快速急行(3008レ):29分
快速急行(3508レ):29分
通勤急行(3804レ):30分
快速急行(3010レ):28分
快速急行(3510レ):29分
通勤急行(3806レ):30分

どの列車にも大きな差はなく、28分から30分ぐらいの列車が多いようです。
快速急行と通勤急行の差もほとんどないことが分かります。

20200704_02

複々線が完成した頃は、快速急行に乗客が集中してしまうといった状況でしたが、所要時間の差がほとんどないことが浸透したのか、最近はだいぶ改善したようにも思います。
乗る列車の選択肢も増えており、昔に比べて随分と通勤は楽になりました。

1990年の朝ラッシュ時の所要時間

出版された最初の時刻表である1990年の創刊号から、今度は当時の所要時間を調べてみたいと思います。
対象は新宿に平日の7時台に到着する列車で同じ条件としていますが、種別は急行となります。

急行(1010レ):28分
急行(1012レ):28分
急行(2014レ):28分
急行(2016レ):32分
急行(1018レ):36分
急行(2020レ):43分
急行(1022レ):45分
急行(1024レ):44分

7時台の前半は、現在の快速急行と同じ所要時間となっており、意外と頑張っていたことが分かります。
しかし、ラッシュがピークとなってくる7時台の後半では、45分程度の所要時間がかかるようになってしまうのです。

あえて今回はこの時間帯を見てみたのですが、やはり7時台の前半と後半でかなりの差が生じていました。
これより後の時間もしばらくは45分前後の列車が続きます。

ちなみに、同じ時間帯の各駅停車がどうなっていたのかというと、新百合ヶ丘から新宿まで52分程度となっており、急行とはそこまで差がありませんでした。
まさに平行ダイヤであり、どの列車に乗っても時間がかかっていたことになります。

おわりに

複々線ができる前と比べて、大幅に所要時間が短縮された朝ラッシュ時の小田急。
かなり快適な通勤となったことが、所要時間の比較からも分かりますね。