4両と6両の編成を繋ぎ、小田急や東京メトロ線内を10両で運転しているロマンスカー。
通勤型車両と同じ10両編成が頻繁に走っていることは、全国的にも比較的珍しいといえます。

小田急のロマンスカーが10両で走ることは、どれぐらい凄いことなのでしょうか。

20m級車体の10両編成が走るロマンスカー

20分に1本程度のペースで運転されるロマンスカーは、沿線民の足として定着しています。
最短は4両、最長は10両での運転が行われており、列車や運転日によって編成の両数が変えられています。

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ロマンスカーで最長となる10両の列車は、4両と6両を併結しての運転となっており、30000形と60000形で見ることができます。
昔のロマンスカーは20m級車体の7両分程度の長さが標準でしたが、1996年に30000形が営業運転を開始したことで、通勤型車両の10両と同じ長さの特急列車が走るようになりました。

最長の10両においては、現在までに10両固定編成は登場しておらず、2編成を組み合わせての運転となっています。
これは箱根登山線内に入線ができなくなってしまうためで、小田原等で4両を切り離すことで、6両だけが通常は箱根湯本まで入線します。

特急料金が必要な列車が、20m級の10両編成で走る姿は壮観で、さらに運転される頻度が高いことにも驚かされます。
小田急の利用者にとっては当たり前の光景ですが、全国的にはなかなか珍しいケースといえそうです。

10両の有料特急はどれぐらい凄いのか

10両で走るロマンスカーが全国的にどれぐらい珍しいのか、大手私鉄について調べてみました。
まず、小田急以外に有料の特急列車が走っているのは、東武、西武、京成、東京メトロ、名鉄、近鉄、南海です。
東京メトロの場合は、小田急のロマンスカーですから、これを除外すると6社ということになります。

有料の特急列車が走る各私鉄において、最大の両数は以下のとおりです。

東武:6両
西武:8両
京成:8両
名鉄:8両
近鉄:10両
南海:8両

車両の長さが異なることや、有料ではない車両を繋いでいるケースも含みます。
10両が走るのは近鉄のみですが、こちらは車体が小田急よりも若干長いため、さらにスケールが大きいということになります。
関東では小田急が唯一ということになるようです。

特急列車にとても力を入れている小田急と近鉄が、編成の長さの点でも凄いことが分かります。
JRではさらに長い編成がありますが、路線の長さが違いすぎるので、当然といえば当然ですね。

おわりに

車両の人気だけではなく、10両編成が走っていることもそれなりに凄いロマンスカー。
日中は4両を切り離した6両のみでの運転もありますが、多くの10両が走る姿には魅了されますね。