小田急の沿線価値を高め、多くの利用者から愛されているロマンスカー。
座席指定制の有料特急列車となっており、専用の車両が運行されています。

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時代のニーズに合わせて、今までに様々な車両が製造されてきましたが、通勤型車両とは製造される車両メーカーの傾向が異なっています。
今回の記事では、ロマンスカーの各形式が、どの車両メーカーで何両ずつ製造されてきたのかをまとめてみたいと思います。

引退した車両が製造された車両メーカー

通勤型車両と同じく、特急型車両の各形式も複数の車両メーカーで製造されてきました。
まずは、既に引退したロマンスカーについて、格下げを考慮しない設計となった3000形から、その内訳を見ていきましょう。

【3000形(SE)】
川崎車輛:16両(50.0%)
日本車輌製造:16両(50.0%)

【3100形(NSE)】
川崎車輛:55両(71.4%)
日本車輌製造:22両(28.6%)

【7000形(LSE)】
川崎重工業:22両(50.0%)
日本車輌製造:22両(50.0%)

【10000形(HiSE)】
川崎重工業:22両(50.0%)
日本車輌製造:22両(50.0%)

【20000形(RSE)】
川崎重工業:7両(50.0%)
日本車輌製造:7両(50.0%)

既に引退した5形式は、このような結果となっています。
東急車輛製造では製造していないのが通勤型車両との違いで、基本的には二つのメーカーで半分ずつとなっていることが分かりやすい特徴です。

例外は3100形で、1966年以降に増備された全ての編成が川崎車輛となっており、両数の割合がかなり異なる結果となっています。
7000形についても面白い点があり、比率としては半分ずつですが、7001Fと7002Fは編成内に二つのメーカーで製造された車両が混在しており、2編成で両数が合うようにされました。

現役の車両が製造された車両メーカー

続いては、現在も活躍している4形式のロマンスカーを見ていきましょう。
それまでとは大きく傾向が変化しており、いったい何があったのでしょうか。

【30000形(EXE・EXEα)】
川崎重工業:20両(28.6%)
日本車輌製造:50両(71.4%)

【50000形(VSE)】
日本車輌製造:20両(100.0%)

【60000形(MSE)】
日本車輌製造:42両(100.0%)

【70000形(GSE)】
日本車輌製造:14両(100.0%)

20000形以前とは傾向が変わり、30000形から日本車輌製造の割合が高くなります。
そして、50000形以降は全てが日本車輌製造となっており、その状態が長く続いているのです。

近年はロマンスカーといえば日本車輌製造というイメージが定着し、他の車両メーカーで製造されるイメージがなくなってしまいました。
50000形から車体がアルミニウム合金となったことが関係しているのでしょうか。

おわりに

日本車輌製造だけで近年は製造されるようになった小田急のロマンスカー。
そのようになった理由が気になるところですね。