優等列車の合間を走り抜け、主に短距離の乗客を輸送する役割を担っている各駅停車。
小田急の場合は1時間に6本程度が運行されており、路線や区間で両数や本数が異なります。

列車の性格上、各駅停車は運転される区間がそこまで長くないパターンが多いといえますが、中には長距離を走る列車も存在します。

小田急の長い距離を走る各駅停車

小田急の本線である小田原線では、主に新宿から本厚木までを往復する各駅停車が運転されています。
新宿まで顔を出す列車は8両と10両で運転されており、近年は10両の列車が増えてきました。

20210710_03

少し前までは6両の各駅停車もありましたが、ホームドアの設置によって都心部には6両を入線させなくなっています。
これによって、小田原線の新宿と江ノ島線を通して運転する各駅停車はなくなりました。

6両の各駅停車が都心部に入らなくなったことで、結果的に小田原線の末端区間まで、各駅停車で通して運転することもできなくなりました。
昔は新宿から小田原、箱根登山線の箱根湯本までを走る列車が存在していましたが、現在は運転すること自体ができなくなっています。



現在最長距離を走るのは、新宿から新松田を結ぶ列車となっており、その距離は71.8kmです。
昔よりは短くなりましたが、それでもかなりの距離といえます。

他社線と直通運転をすることで長い距離を走る各駅停車

小田急線内から飛び出し、他社線に直通運転をする各駅停車もあります。
準急等に比べれば本数としては少ないものの、各駅停車も運転されているのです。

各駅停車で運転される列車は、JR東日本の我孫子が最も遠くまでの走行で、小田急線内は本厚木までとなります。
つまり、我孫子と本厚木を結ぶ列車が、他社線を含めた場合の最長列車です。

距離としては、我孫子から綾瀬が23.6km、綾瀬から代々木上原が21.9km、代々木上原から本厚木が41.9kmとなっており、合計は87.4kmとなります。
足し上げているので多少誤差がありそうですが、これが小田急における最長の各駅停車といえそうです。
2022年3月12日に行われるダイヤの変更で、最長の各駅停車に変化があるのかも注目されますね。

おわりに

以前は新宿から小田原までを走破する各駅停車があり、小田急線内だけのロングランも楽しむことができました。
ホームドア等によって鉄道のシステムが複雑化することで、全線を走破するということ自体が、昔より難しくなってきていることを感じます。