運転本数の見直しを中心として、2022年3月12日に減便を伴うダイヤの変更を実施する小田急。
後ろ向きな内容が多いためか、ダイヤ改正という表現を使用していませんが、変更点は多岐に渡るものと思われます。

様々な変更が発生するこのタイミングでは、江ノ島線の運行形態が大きく変わります。
藤沢から片瀬江ノ島までは折り返し運転となりますが、これにはどのような意図があるのでしょうか。

区間運転に変更される江ノ島線の末端区間

小田急の江ノ島線は、相模大野から片瀬江ノ島までの27.6kmを結んでいる路線です。
直線区間が多く、比較的高速運転ができる路線ですが、開業時の事情で藤沢駅にスイッチバックが存在しており、長年運行上のネックとなっていました。



スイッチバックの際には乗務員の交代が発生し、停車時間も終点の駅と同じ程度必要となります。
相模大野方面と片瀬江ノ島方面の列車が平面交差を行う関係で、どうしてもダイヤを組むうえで制限が多くなってしまっており、ダイヤが乱れた際には列車が発着するタイミングが合わなくなってしまうため、遅延を増大させる要因でもありました。

今回の変更では、ロマンスカー等の一部列車を除き、藤沢を境に運行が分断されます。
藤沢から片瀬江ノ島の区間は折り返し運転となり、1時間に5本程度が運転されるようで、発着番線の変更によって交差支障も解消されます。
折り返し運転を行う区間は12分間隔での運転となり、タイミングによっては藤沢での待ち時間が多くなりそうな気がしますが、今までも折り返し待ちで停車時間が長かったことを考えれば、そこまで影響はないのかもしれません。

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小田原線の末端区間や、箱根登山線が区間運転化されていたことから、いつかは江ノ島線も行うのではないかと思っていましたが、このタイミングでついに実施することとなったようです。
今後どの程度藤沢を直通する列車があるのかはまだ分かりませんが、江ノ島線にとっては地味ながら大きな変化があるといえます。

区間運転化される理由の推測

乗客の利用動向が大きく変化したとはいえ、このタイミングで実施することが個人的には気になっています。
藤沢の問題は、利用動向の変化とは関係なく、ずっと以前から存在していたからです。
つまり、このタイミングで行うと都合が良い理由が背景にあるのではないでしょうか。

折り返し運転となる区間を利用する方にとっては、藤沢での乗り換えが必ず発生するようになるため、前向きに捉えることは難しいでしょう。
そういった意味では説明がしやすいタイミングとはいえますが、理由としては弱いように思います。

そこで浮かんできたのが、折り返し運転を4両で行う可能性です。
藤沢を境に乗客が減るとはいえ、さすがに輸送力が不足する印象もありますが、乗り通しても僅か3駅で、乗車時間も6分から7分程度ですから、今までより多少混むことによる影響はそこまでないといえます。

そして、6分から7分程度で走破できる区間を12分間隔にするということは、折り返しを5分程度で行い、2編成で運用する可能性が高いように思われます。
3編成であれば10分間隔にするでしょうから、その点でも効率的に運用しようとしている点が見えてきます。

この2編成という部分で気になるのが、3編成だけ半端となっている8000形の4両です。
8000形は箱根登山線に乗り入れないため、6両と組んだ10両で運用をする必要がありましたが、6両との編成数の違いから、3編成は必ず3000形と組む必要がありました。
江ノ島線の末端区間を8000形の4両で運転すれば、予備車も含めて丁度良いように思うのです。

検査のタイミングや、クヤ31形の牽引で車両が足りない場合は、1000形の4両を充当することも可能ですし、6両で代走をすることも大きな問題はありません。
まだまだ使えそうではあったものの、余剰となってしまいそうな8000形の4両でしたから、このような役割が与えられれば、あまりにも適任といえます。
結局6両だったという展開も十分考えられますが、可能性の一つとして考えてしまうのです。

そして、もう一つ気になることは、今後予定されている藤沢の改良工事との関連です。



藤沢を通して運転する列車が減ることで、構内の配線を変更できる可能性があります。
箱根登山線が風祭の改良に合わせて4両にされたように、藤沢の改良と区間運転化についても、何らかの関係がありそうですね。

おわりに

この推測をするにあたっては、10両の運用数がどうなるのか等、他の要素も確実に絡んできます。
それらについても色々と妄想を繰り広げていますので、順次記事にしていきたいと思います。