利用動向の変化に合わせ、減便を中心としたダイヤの変更を2022年3月12日に実施する小田急。
変更点は多岐に渡りますが、その背景には車両の運用数を見直したいという事情も絡んでいると考えられます。

今回の記事では、8両で運転される列車が減る可能性について、考えてみたいと思います。

小田急における8両編成の近況

平成という時代の小田急において、都心部の各駅停車は8両というのが定番でした。
1000形の登場によって8両化がスタートし、当初は4両を2編成繋いだ列車が標準だったものの、徐々に8両固定編成が増加していくこととなります。

その後、都心部の全ての駅が10両編成の停車に対応できるようになったことで、2019年3月16日のダイヤ改正で10両の各駅停車が本格的に走るようになりました。
現在は8両と10両の列車が混在している状況ですが、将来的には10両に統一していく方向であると考えられます。

現在はB11からB27が8両用の運用となっており、運用数としては17です。
これは8両の編成数と完全一致しており、2000形の2051Fから2059Fまでの9編成、3000形の3651Fから3658Fまでの8編成の合計と合わせられています。
運用としてはB21が予備であるため、走行しているのは16編成となります。

編成数に余裕がある状態ではないため、車両が足りない場合は1000形の4両を2編成繋いだ8両が代走を行います。
昔は沢山見られたこのような編成は、いつの間にか珍しい部類となってしまいました。

8両で運転する列車が減る可能性

ダイヤの変更に関する発表で、8両の列車に関する直接的な言及はありません。
しかし、減便される列車の情報を見ていくと、8両にも影響が出る可能性があります。

まず、大きな変化として、新宿と新松田を結ぶ急行の運転がなくなります。
時間帯によっても異なりますが、1時間に3本程度が運転されている10両の急行がなくなるため、10両の運用数が減るか大きく変わると考えられます。
新宿から新松田は90分程度で走りますから、単純に考えても日中は9運用程度が減らせるといえそうです。
朝ラッシュのピーク時に運転される本数がほとんど変わらないため、どの程度10両が余るのかは現時点で分かりませんが、ピーク時の前後で減らされている可能性がありえます。

10両が余るということは、その分8両の運用を10両に置き換えることが可能となります。
8両を暇な状態にする可能性は低いでしょうから、4両を使った代走をしなくても良い程度の運用数にする可能性が最も高そうです。
夜のラッシュ時に新宿を発車する各駅停車が減ることも、8両の運用数削減と関係しているのかもしれません。

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このように考える背景として、今後箱根登山線内用に1000形の更新車が4編成必要になるという事情があります。
1000形の更新車で4両は7編成しかないため、余るのはたった3編成なのです。

検査等で離脱する編成があるとして、そのタイミングで8両を組んでしまうと、既に予備車がない状況に陥ってしまいます。
つまり、8両の編成数と運用数を同じにすることは、今後厳しくなる可能性が高いといえるでしょう。

一方で、今と同じ運用数を維持する可能性がないとはいえません。
8両の列車は10両で代走することが可能であり、10両が余っていれば対応ができなくはないからです。
しかし、小田急は両数の異なる代走を極力避ける傾向があるため、これを許容するかどうかは判断が難しい部分ではあります。

おわりに

発表されている内容が断片的であり、大きく予想を外す可能性もありますので、私の妄想程度にとらえていただけるとありがたく思います。
私たちの想像を超えるぐらい、今度のダイヤ変更は大きいものとなりそうです。