2022年3月12日に実施されるダイヤの変更によって、小田急では列車の運行本数が削減されます。
大きな変化があるのは日中で、列車の本数が減ることに加えて、運行のパターンにも変更が発生するようです。

運行本数の見直しによって、小田急の日中にはどのような変化が生じるのでしょうか。

ダイヤ変更後の日中に運行される本数

小田急から発表された情報の中には、日中に運転される本数が区間ごとにどうなるのかが記載されていました。
まずはその内容をおさらいしてみましょう。

1時間あたりに運転される区間ごとの本数は以下のとおりで、括弧内は削減される本数です。
江ノ島線の末端区間については、今回の内容と直接関係しないため省略します。

新宿~代々木上原:15本(-3本)
代々木上原~向ヶ丘遊園:18本(-3本)
向ヶ丘遊園~新百合ヶ丘:15本(-3本)
新百合ヶ丘~町田:12本(-3本)
新百合ヶ丘~唐木田:6本(-3本)

削減される本数を見ると、綺麗に3本で揃っていることが分かります。
このようになる理由には、新宿から新松田を結ぶ急行の運転がなくなることが大きく関係しており、その分が各区間で削減されています。

運行本数の見直しによってどのような変化があるのか

新宿から新松田を結ぶ急行がなくなることで、各区間ではどのような変化が生じるのでしょうか。
今回の削減の背景には、若干輸送力が過剰気味となっていた、準急と急行の存在があります。

まず、新宿から代々木上原ですが、これは新松田までの急行がなくなることによる減少です。
快速急行の続行でしたから、削減による実質的な影響はほとんどないでしょう。

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代々木上原から向ヶ丘遊園までは、東京メトロの千代田線との直通運転を行う列車が、今までの準急から急行に変わります。
快速急行とは停車駅が異なるこの区間において、比較的利用者が少なかった準急を急行に変更することで新松田までの急行が減った分を補います。
準急の停車駅を利用する方にとっては、多少影響があるといえそうです。

向ヶ丘遊園から新百合ヶ丘、新百合ヶ丘から町田については、新松田までの急行がなくなることによる減少です。
快速急行と停車駅が変わらず、かつ続行運転でしたから、着席の機会が減少するといったデメリットはあるものの、乗車機会という面ではあまり影響がないといえます。
上りの新百合ヶ丘で行われていた、急行と快速急行の急急接続については言及がないものの、半減は間違いないため、これをきっかけにやめてしまう可能性もありそうです。

町田から小田原までは区間運転の急行が設定され、新松田までの急行が減る分を補います。
これは6両となっており、新松田から小田原までは各駅停車となります。
輸送力が落ちますが、その分快速急行に乗客が寄るでしょうから、どこまで影響があるのかは判断が難しいところです。

多摩線については、急行を各駅停車として運転することで、その分の各駅停車が削減されます。
土休日に行われるようになってから、いずれ平日にも拡大されると思っていましたが、やはりそれが現実となりました。
急行の停車駅を利用する方にとっては、若干所要時間が長くなるという影響はありますが、各駅停車しか停車しなかった駅ではプラスにもなるため、多摩線全体で見ればそこまで悪影響はなさそうです。
向ヶ丘遊園で折り返す千代田線からの急行を唐木田まで走らせれば、全ての列車が小田原線との直通列車となりますが、ダイヤが乱れた際に直通運転を中止する場合のことを考えてか、そこまではやらないようです。

おわりに

削減される列車を見ていくと、利用者がそこまで多くなかった列車が上手く選ばれていることが分かります。
全く悪い影響がないとはいえませんが、今の状況を乗り越えるために知恵を絞ったことが、今回のダイヤ変更からは強く感じられました。