箱根登山鉄道の路線ながら、営業運転を行うのは小田急の車両だけとなっている小田原から箱根湯本までの区間。
小田原から強羅までが鉄道線となっていますが、箱根湯本を境に運転系統は完全に分けられています。

小田急の車両しか営業運転を行わない区間では、通勤型車両の1000形やロマンスカーが走りますが、箱根登山鉄道の乗務員が小田急の車両を運転することはあるのでしょうか。

小田急の車両のみが営業運転を行う区間

箱根登山線の小田原から箱根湯本までは、小田急の車両のみが営業運転を行っています。
以前は箱根登山鉄道の車両も小田原まで走っていましたが、2006年3月18日のダイヤ改正以降は小田急の車両のみが営業運転を行うようになりました。



入生田に車庫があるため、現在も入生田から箱根湯本までは箱根登山鉄道の車両が走行しますが、回送扱いとなっており客を乗せることはありません。
箱根登山鉄道の車両を走らせるため、僅か一駅ではあるものの三線軌条が残っており、昔を思い出させてくれる貴重な区間となっています。

営業運転を行う小田急の車両は、小田原と箱根湯本の折り返し運転には1000形、ロマンスカーは全ての形式が使用されます。
小田急との直通運転は基本的にロマンスカーのみとなっており、通勤型車両による直通運転は入出庫が絡む列車のみとなりました。

両社の乗務員が運転する面白い区間

鉄道の乗り入れでは、その路線を管轄する事業者の乗務員が他社の車両を運転するか、他社の乗務員がそのまま運転するか、一般的にはどちらかの対応が行われます。
現在は前者のパターンが多くなっていますが、グループ会社間での乗り入れとなっているためか、箱根登山線内では面白い対応が行われています。

それは、列車によって運転する乗務員が所属する会社が異なることで、混在している状況となっています。
小田急の乗務員が多いためあまり目立ちませんが、箱根登山鉄道の運転士が乗務する列車もあるのです。

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ロマンスカーについては、小田急の乗務員のみが運転を行っていますが、通勤型車両については小田急と箱根登山鉄道の乗務員の両方のパターンを見ることができます。
比率としては小田急の乗務員のほうが多く、箱根登山鉄道の乗務員が運転するパターンは3本に1本程度の割合となっているようです。
なお、車掌についても同様で、小田急と箱根登山鉄道の両方の乗務員が担当しています。

1000形の更新車が入線し始めた頃は、箱根登山鉄道の乗務員が運転し、サポート役として小田急の乗務員が横にいる光景が見られ、グループ会社間の絆を感じることができました。

おわりに

3月12日に行われるダイヤ改正では、日中に運転される列車の本数が削減されます。
その際に担当する乗務員がどのようになるのか、その点についても気になるところです。