帰宅ラッシュ時の着席列車として、1999年に運行を開始した小田急のホームウェイ号。
18時以降に新宿を出発する全てのロマンスカーがこの愛称となっており、利用客にもすっかり定着しました。

現在は東京メトロ千代田線内から運転されるメトロホームウェイ号も加わり、とても賑やかな帰宅ラッシュの運行となっていますが、3月12日のダイヤ変更からは17時以降に新宿を出発する列車がホームウェイ号となります。

ホームウェイ号はなぜ17時台から走るようになるのか

3月12日に行われるダイヤ変更後から、ホームウェイ号は1時間早く走り始めるようになります。
これはメトロホームウェイ号も同様で、多くの時期では明るい時間帯から見られるようになることを意味します。

20191103_03

ホームウェイ号は、夏以外だと明るい時間帯に走ることがなく、写真を撮るとすれば駅に停車している状態が基本でした。
この常識が変わろうとしています。

小田急からは、帰宅ラッシュの時間が早期化していると発表されており、それがホームウェイ号が運転される時間が前倒しされる理由です。
帰宅ラッシュが早期化している背景には、もちろん新型コロナウイルス感染症の影響がありますが、本質的には働き方が多様化したことによる影響が大きいのかもしれません。

帰宅ラッシュはなぜ早期化したのか

ホームウェイ号が17時台から運転される理由である、帰宅ラッシュの早期化ですが、そもそもなぜ早期化しているのでしょうか。
調べてみたところ、それ自体に触れているものが少なく、どうも理由がはっきりしません。
しかし、17時前後の小田急に乗車すると、確かに昔より混んでいる印象を受けるのも事実ですし、実際に早期化しているのでしょう。

考えられることとしては、新型コロナウイルス感染症を起因として、不況によって残業が減った、仕事が終わった後の飲み会がなくなったというような理由でしょう。
毎日のように飲み歩いたり、今までとは比較にならないぐらい残業時間が減る人ばかりではないため、そこまで変わるのかという気はするものの、母数が大きければそれなりに影響があるのかもしれません。

個人的にもう一つの理由として考えているのが、テレワークの急激な普及による働き方の多様化です。
テレワークが普及すると、電車に乗らない人が増えるという当たり前のことが起きますが、実際には様々な理由でオフィスに行かなければできない仕事があります。
当然そのような仕事を行うためには出社をする必要がありますが、今までのように朝早く出かけて、遅くまでオフィスで仕事をしないといけないのかというと、そうではなくなりつつあります。

テレワークとオフィスワークを組み合わせる、ハイブリッドワークという考え方も広がってきており、日によっての使い分けや、昼間はオフィスで仕事をして帰宅し、テレワークで続きの業務を行うといった働き方も可能となりつつあります。
後者の働き方が広がれば、帰宅ラッシュが早期化する可能性は十分考えられますし、アフターコロナでも大きくは元に戻らないでしょう。

小田急がホームウェイ号の運転時間を前倒しするということには、アフターコロナになっても帰宅時間が昔のように戻ることはないという読みが感じられました。
短期的なものであれば、わざわざ17時台のロマンスカーをホームウェイ号にしなくてもよく、中長期的な視点で考えているように思うのです。

おわりに

帰宅ラッシュの早期化はなぜ起きているのか、確定的な理由が気になります。
この記事で書いた内容はあくまでも私見であり、実際にどのような理由で早期化しているのかについてはとても興味があります。

いずれにしても、明るい時間から日常的にホームウェイ号が走るようになるということに、時代の変化を感じずにはいられません。