速達種別として利用者に定着し、新宿から相模大野にかけては1時間に6本が運転されている小田急の快速急行。
湘南急行が発展して登場した種別ですが、年々本数が増加したことで、現在は優等列車の中心となりました。

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小田急の快速急行はどんな列車なのか、現状をご紹介しつつ、過去の歴史も振り返ってみたいと思います。

速達種別として定着した快速急行

特急を除いた場合、小田急で最上位の種別として位置付けられる快速急行は、2004年12月11日のダイヤ改正で登場した比較的新しい種別です。
特徴は通過駅が多いことで、都心部や江ノ島線内を中心に、かなり多くの駅を通過します。

快速急行が各路線で停車する駅は以下のとおりです。

【小田原線】
・新宿
・代々木上原
・下北沢
・登戸
・新百合ヶ丘
・町田
・相模大野
・海老名
・本厚木
・愛甲石田
・伊勢原
・鶴巻温泉
・東海大学前
・秦野
・渋沢
・新松田
・小田原

【江ノ島線】
・中央林間
・大和
・湘南台
・藤沢
・片瀬江ノ島

【多摩線】
・栗平
・小田急永山
・小田急多摩センター
・唐木田

小田原線と江ノ島線は急行よりも停車駅が少なく、多摩線については急行と同じ停車駅となります。
多摩線はラッシュ時を中心とした設定になっており、小田原線に快速急行として直通する急行の意味合いが強い列車です。

日中の基本的な運転パターンは、新宿から相模大野にかけて1時間に6本が運転されており、3本がそのまま小田原線の小田原まで、残りの3本は江ノ島線へと入ります。
小田原線の快速急行は新松田で急行に化ける列車が多く存在し、開成にも停車する場合があるほか、江ノ島線内が急行となる列車も設定されています。

快速急行の最大の特徴は、下北沢から登戸までをノンストップで走ることで、登戸から先の神奈川県内を中心とした地域の利用客にとっては、都心部にアクセスするための速達種別となっています。
一方で、その他の種別よりも混雑していることから、空いている列車を選んで利用する乗客もいます。

快速急行の歴史

各駅停車、準急、急行、特急と、シンプルな構成だった小田急に新種別が登場したのは、2002年3月23日のダイヤ改正でした。
江ノ島線に直通する湘南急行と、多摩線に直通する多摩急行の2種別で、複々線化や全線10両化が進んだことで設定が可能となったものです。

快速急行の前身となる湘南急行は、江ノ島線内の停車駅が急行よりも少なく、JR東日本の湘南新宿ラインを強く意識した列車でした。
南林間や長後を通過することで江ノ島線内での速達性は高まりましたが、小田原線内は急行と同じ停車駅となっていることが、快速急行との大きな違いです。

湘南急行の小田原線内の停車駅を減らし、江ノ島線以外でも運転するようにしたのが快速急行であり、登場当時は登戸も通過していました。
下北沢から新百合ヶ丘までをノンストップ、15駅を連続して通過しており、ロマンスカーも顔負けの停車駅だったのです。

昔の快速急行は現在と位置付けが若干異なり、優等列車の中心となる急行を補完する速達種別でした。
この状況が変化したのは2016年3月26日のダイヤ改正で、快速急行の本数を倍増させて優等列車の中心に据え、急行がそれを補完する役割へと変化しました。
その後、2018年3月17日のダイヤ改正で登戸が停車駅に加えられ、現在の運行スタイルとなっています。

おわりに

優等列車の中心として、すっかり利用者に定着した小田急の快速急行。
少しずつ停車駅は増加傾向にありますが、これからも速達種別としての設定が続きそうですね。