小田急ロマンスカーといえば連接台車、そんな常識がいよいよ過去のものになろうとしています。
3月11日に50000形(VSE)が定期運行を終了、2023年の秋頃に引退すると、小田急からついに現役の連接車が姿を消すこととなります。

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小田急のロマンスカーといえば連接車のイメージはいまだにありますが、実際に何形式が採用したのでしょうか。

連接台車を採用したロマンスカー

在籍するロマンスカーが全て連接車という時代がありました。
それだけロマンスカーと連接車は切っても切れない関係にありますが、時期やその他の事情によって、連接車ではないロマンスカーもあります。

連接車には、高速域での安定性が向上することや、乗り心地が良くなるといったメリットがありますが、保守性の面で優れているとはいえない点や、車体の長さの関係で近年はホームドアの導入を妨げる遠因ともなりつつありました。
近年は小田急でも採用例が少なくなっており、70000形(GSE)ではボギー台車の前面展望構造という、新しいパターンが採用されました。

現在までに登場したロマンスカーで、連接車とされたロマンスカーは以下のとおりです。

・3000形(SE)
・3100形(NSE)
・7000形(LSE)
・10000形(HiSE)
・50000形(VSE)

5形式が連接車で登場し、その総両数は217両となっています。
日本の鉄道車両で、これだけ多くの長編成の車両を連接車で登場させたのは、小田急ぐらいでしょう。

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レールの継ぎ目を通過する際には、独特なジョイント音を響かせることが特徴の一つでもあり、小田急沿線の生活に溶け込んだ音でもありました。

連接車で登場したロマンスカーの割合

多くの連接車を世に送り出した小田急ですが、実際にどれぐらいの車両が連接車だったのでしょうか。
今回はその割合も見てみたいと思います。

現在までに登場したロマンスカーは以下のとおりです。

・1910形
・1700形
・2300形
・キハ5000形
・3000形(連接車)
・3100形(連接車)
・7000形(連接車)
・10000形(連接車)
・20000形
・30000形
・50000形(連接車)
・60000形
・70000形

そもそも細かい形式が多いことや、キハ5000形を含めるべきかという議論はあるかと思いますが、意外と連接車ではないロマンスカーも目立ちます。
一時期に集中していることが、ロマンスカーといえば連接車という強いイメージに繋がっているのでしょう。

形式数で見た場合、連接車の割合は現状で38%となっており、今後この割合はさらに下がっていくのかもしれません。
あのジョイント音がもうすぐ聞けなくなるのかと思うと、やはり寂しい気持ちにはなります。

おわりに

いよいよ現役の車両が消える日が近付きつつある連接車のロマンスカー。
今後新たな連接車が登場することは、はたしてあるのでしょうか。