設置されている駅はまだ少ないものの、ホームドアの整備が進められている小田急。
ホームドアの設置に支障があると思われる車両の整理が、2021年度にはある程度終わりそうなことから、2022年度以降は設置のペースが上がることが予想されます。

現在はホームドアの整備が中心となっていますが、小田急ではホームの改良が断続的に進められてきました。

白線や点字ブロックの整備

今では当たり前となった点字ブロックや、以前は存在した白線は、元々ホームにはないものでした。
1960年代頃の写真を見てみると、まだ白線すらない駅が目立ち、そもそもホーム上が砂利だったりする場合もあったようです。

電車が到着する際に下がる位置として、以前は白線がホームに引かれていました。
元々は白線だけが整備されており、駅の放送が白線の内側までお下がり下さいといった内容だったのも懐かしく感じます。

20180527_07

その後点字ブロックの整備が進められますが、あくまでも下がる位置は白線であり、放送もしばらくはそのままでした。
やがて白線が残ったままの状態で放送は黄色い線と案内するようになり、少々分かりにくい状態が続いていましたが、徐々に白線は消され、現在は点字ブロックまで下がるようにと案内も変わりました。

転落事故の防止対策やホームのかさ上げ

2001年1月26日に、JR東日本の新大久保駅で痛ましい事故が発生しました。
泥酔した乗客が線路に転落してしまい、2人が線路に飛び降りて救助を試みたものの、進入してきた電車に全員がはねられて死亡してしまったというものです。

事故後に国土交通省から全国の鉄道事業者に指導があり、非常停止ボタンの設置や、ホームの下に待避スペースが設けられるといった対策が急いで行われました。
小田急でも対策が進められましたが、構造上待避スペースが設けられない場所もあるため、そういった箇所にはホームに上がりやすくするための対策も行われています。

20180922_04

ホームの側面にオレンジ色の足かけがありますが、これはこの事故後に設置されたものです。

2000年代以降は、バリアフリー化のためにホームをかさ上げする改良も多くの駅で行われました。
昔は車両とホームの段差が大きい駅があり、その段差を解消するためにホームをかさ上げして段差を解消したのです。

しかし、転落した後の対策だけでは、当然転落事故自体を防止することはできないため、現在は転落事故をなくすためにホームドアの設置が進められています。
かさ上げの際に整えたホームを再度改良することにもなっており、ホームの改良に終わりはないのかもしれませんね。

おわりに

時代に合わせて少しずつ姿を変える小田急のホーム。
ホームドアが設置されている光景が、いつの間にか当たり前となるのかもしれませんね。