現在の小田急で最も古い車両となりながらも、まだ多くの編成が元気に活躍する8000形。
ケイプアイボリーにロイヤルブルーの帯を巻いた最後の形式ともなっており、昔ながらのカラーリングを現代に伝えています。

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8000形は2002年度から2013年度にかけて全編成がリニューアルされていますが、その前後で見た目はどのように変化したのでしょうか。

リニューアルが行われる前の8000形

普通鋼製車体を採用した通勤型車両の集大成ともいえる8000形は、最初の編成が1982年の終わりに登場しました。
4両と6両が16編成ずつ、1987年までに160両が製造されています。

5000形の増備によって1982年まで続いた小田急顔が終わり、大きな1枚窓に見えるような近代的な前面デザインが採用されました。
車体には徹底した腐食対策がされており、オールステンレスの車体へと移行する間に生まれた、過渡期の車両ともなっています。

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登場後は急行を主体としつつも様々な列車で使われ、小田急線内のどこでも見られる車両となりました。
その一方で、極端な欠点がないバランスの良い車両というイメージが強く、趣味的には少し面白みに欠ける部分はあったように思います。

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元々が洗練されていたためか、登場後はリニューアルまで見た目が大きく変わることはありませんでした。
帯が塗装からラッピングになったことや、パンタグラフや方向幕の交換といった、他形式も含めた全車規模で発生した変化が中心となっています。

リニューアルによる見た目の変化

2002年度から始まったリニューアルによって、8000形の見た目は変化しました。
しかし、元々の完成度が高かったためか、徹底的なリニューアルが行われた割には変化が少ないともいえます。

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目立つ部分としては、表示器のLED化と通過表示灯の撤去があげられます。
ワイパーの交換や、スカートの穴が埋められるといった細かい変化も加わり、前面の印象は少し変わりました。

側面については、表示器がLED化されたことで表示窓のサイズが変化したことや、側灯が交換されたことが目立ちます。
側扉は室内側の段差をなくすように改良されたため、外側の縁が目立つようになっています。
カーテンが廃止されたことで、側窓はUVカットガラスに交換されて色の濃さが目立つようになったほか、床下機器の色がグレーに変更され、3000形のイメージに近くなりました。

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リニューアルの時期によって、LED表示器がフルカラーとなっていたり、OERの切り抜き文字が撤去されているといった細かい違いがあるものの、全体的には比較的原形に近い姿を保っているといえそうです。
引退まで大きく姿を変えることはないでしょうから、それだけ元々の完成度が高かったということなのかもしれませんね。

おわりに

リニューアルによって見た目が少し変わりながらも、比較的原形のイメージが残っている8000形。
昔ながらのカラーリングが残る小田急の車両として、貴重な存在となっています。