まもなく50000形(VSE)が定期運行から引退し、大きな岐路を迎えることとなる小田急のロマンスカー。
3000形(SE)以来の伝統となっていた連接車の歴史が途絶え、今後新たな連接車が登場しない限りは、ボギー車へと統一されることになります。
まだ比較的新しいにもかかわらず、突然引退することとなったように感じるVSEですが、その未来は70000形(GSE)が登場した時点で見えていたのかもしれません。
60000形(MSE)の増備によってロマンスカーの展望車は減少を続けていましたが、LSEを置き換えるという点を重視したのか、GSEは久々に前面に展望席を設けた車両となりました。
4編成にまで減少していたロマンスカーの展望車は、こうしてそれ以上は数を減らすことなく推移し、LSEの置き換え後はVSEが2編成、GSEが2編成、合計4編成で落ち着きました。
最盛期に比べればかなり少なくはなったものの、ロマンスカーの性格が変わりつつあることを実感する編成数になっているといえます。
久々の展望車となったGSEですが、ロマンスカーとしては初の組み合わせが見られることが特徴です。
それは前面に展望席を備えながら、20m級の一般的な車両のサイズとなっている点で、連接車ではないボギー車とされました。
長いロマンスカーの歴史の中で、展望車でありボギー車であるというパターンは過去になく、3100形(NSE)の流れと、30000形(EXE)の流れの両方を合わせたような車両となっています。
効率性だけを優先せず、夢を沢山詰め込んだVSEは、箱根等への観光輸送の主役として活躍することとなりますが、2編成が増備されただけで終わってしまい、結果としては使い勝手のよいMSEが大量に増備されることとなります。
VSEが2編成だけで終わってしまった理由は明確になっていないものの、コストや効率性の面であったのだろうということは、なんとなく想像できます。
大量に増備されることにはならなかったものの、2編成だけという希少性が幸いし、かえって注目された面はあったのかもしれません。
VSEが観光輸送の主役として活躍する中で、MSEの増備によって観光輸送を重視した設計の車両は続々引退していきました。
最終的にはLSEとVSEの2編成ずつが観光輸送向けとして残りますが、そこで登場したのがGSEだったのです。
鮮やかな車体が目立つGSEですが、実際にはかなり現実的な仕様でまとめられている車両となっており、観光輸送を主な用途としつつも無駄がない仕様となっています。
4両と6両を組み合わせ、最大10両で運転できる車両とは異なりますが、箱根湯本への乗り入れが可能な7両としつつ、ロマンスカーらしさを演出する展望車とする等、メリハリがある車両に仕上がっています。
GSEが登場した時点で、VSEは小田急で唯一の連接車となり、20m級ではない車体も他形式にはない特徴となってしまいました。
そして、GSEの登場に先立つ2016年からは、ホームウェイ号でもVSEは使われるようになっており、既に特別扱いは終わりつつありました。
GSEは登場直後からホームウェイ号にも充当され、VSEのように特別扱いをするという方向性もありませんでした。
この時点でVSEがいつまで走る見込みであったのかは分かりませんが、既に未来は決まりつつあったのかもしれません。
観光輸送としてのロマンスカーの立ち位置が定まりつつあり、その結果がGSEという車両を生んだのだとすれば、VSEは既に異端車となりつつあったといえます。
生まれた時代が違えばもっと長生きができたのかも、VSEを見ているとそんなことを思わずにはいられませんでした。
GSEが現実的な仕様で登場した時点で、VSEの先行きは暗い方向へと進み始めていたのかもしれませんね。
3000形(SE)以来の伝統となっていた連接車の歴史が途絶え、今後新たな連接車が登場しない限りは、ボギー車へと統一されることになります。
まだ比較的新しいにもかかわらず、突然引退することとなったように感じるVSEですが、その未来は70000形(GSE)が登場した時点で見えていたのかもしれません。
ロマンスカーとしては初の組み合わせで登場したGSE
2編成だけが残っていた7000形(LSE)の置き換え用として、GSEは2018年に営業運転を開始しました。60000形(MSE)の増備によってロマンスカーの展望車は減少を続けていましたが、LSEを置き換えるという点を重視したのか、GSEは久々に前面に展望席を設けた車両となりました。
4編成にまで減少していたロマンスカーの展望車は、こうしてそれ以上は数を減らすことなく推移し、LSEの置き換え後はVSEが2編成、GSEが2編成、合計4編成で落ち着きました。
最盛期に比べればかなり少なくはなったものの、ロマンスカーの性格が変わりつつあることを実感する編成数になっているといえます。
久々の展望車となったGSEですが、ロマンスカーとしては初の組み合わせが見られることが特徴です。
それは前面に展望席を備えながら、20m級の一般的な車両のサイズとなっている点で、連接車ではないボギー車とされました。
長いロマンスカーの歴史の中で、展望車でありボギー車であるというパターンは過去になく、3100形(NSE)の流れと、30000形(EXE)の流れの両方を合わせたような車両となっています。
GSEが登場した時点で見えていたVSEの未来
ロマンスカーブランドの復権を目的として登場したVSEは、GSEが登場する段階で約13年が経過していました。効率性だけを優先せず、夢を沢山詰め込んだVSEは、箱根等への観光輸送の主役として活躍することとなりますが、2編成が増備されただけで終わってしまい、結果としては使い勝手のよいMSEが大量に増備されることとなります。
VSEが2編成だけで終わってしまった理由は明確になっていないものの、コストや効率性の面であったのだろうということは、なんとなく想像できます。
大量に増備されることにはならなかったものの、2編成だけという希少性が幸いし、かえって注目された面はあったのかもしれません。
VSEが観光輸送の主役として活躍する中で、MSEの増備によって観光輸送を重視した設計の車両は続々引退していきました。
最終的にはLSEとVSEの2編成ずつが観光輸送向けとして残りますが、そこで登場したのがGSEだったのです。
鮮やかな車体が目立つGSEですが、実際にはかなり現実的な仕様でまとめられている車両となっており、観光輸送を主な用途としつつも無駄がない仕様となっています。
4両と6両を組み合わせ、最大10両で運転できる車両とは異なりますが、箱根湯本への乗り入れが可能な7両としつつ、ロマンスカーらしさを演出する展望車とする等、メリハリがある車両に仕上がっています。
GSEが登場した時点で、VSEは小田急で唯一の連接車となり、20m級ではない車体も他形式にはない特徴となってしまいました。
そして、GSEの登場に先立つ2016年からは、ホームウェイ号でもVSEは使われるようになっており、既に特別扱いは終わりつつありました。
GSEは登場直後からホームウェイ号にも充当され、VSEのように特別扱いをするという方向性もありませんでした。
この時点でVSEがいつまで走る見込みであったのかは分かりませんが、既に未来は決まりつつあったのかもしれません。
観光輸送としてのロマンスカーの立ち位置が定まりつつあり、その結果がGSEという車両を生んだのだとすれば、VSEは既に異端車となりつつあったといえます。
生まれた時代が違えばもっと長生きができたのかも、VSEを見ているとそんなことを思わずにはいられませんでした。
おわりに
前面に展望席を設けたロマンスカーとして登場しながら、VSEとGSEはあまりにも異なる性格を持っているといえます。GSEが現実的な仕様で登場した時点で、VSEの先行きは暗い方向へと進み始めていたのかもしれませんね。
コメント
コメント一覧 (22)
地下鉄に乗り入れない形式の場合は、先頭車の形状を、JR東日本のE353系と同様の形にした上で、1号車と10号車は非貫通型にして展望席を設け、6号車と7号車は貫通型にして通り抜けを可能にする。(6+4ではなく7+3でもよい)
地下鉄に乗り入れる形式の場合は、先頭車の形状を統一し、6+4の10両編成だけでなく、4+4の8両編成での営業運転も可能にする。(現行のEXEおよびMSEの6・7号車のような形)
いずれの場合も、特別塗装車として、SEの登場当時の塗装またはLSEの塗装を復刻した編成を設ける。
ワタシダ
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でも今は観光にプラスしてGSEのような標準性能が必要になってきました。VSEは引退までしっかり見届けてあげたいです。
ワタシダ
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ワタシダ
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更新時期に差し掛かり車体傾斜装置の部品やアルミダブルスキン構造の問題が判明したこと、LSE代替のGSEをボギー車としたことで連接車が異端化し、VSEを更新せずに廃車することで連接車を一掃できるメリットが生じたこと等、運用以上に更新や維持にかかるコスト面の問題が大きかったのかなと感じます。
ワタシダ
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ワタシダ
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というよりGSEは硬い座席、特殊な車両設計に起因する整備性や乗務員の労務環境の悪さ、設備の特殊性と座席定員の少なさに起因する運用上の制約など、VSEが抱える様々な問題点を解決するために生まれたと言っていいものですので当然かもしれませんが・・・・
懸念されるのは今後GSEが増備されずに新形式が導入された場合、2編成しかないGSEがVSEと同様に異端車扱いされるのではないかということです。
なので、VSEが廃車になるタイミングあたりでGSEを増備して欲しいところですが、現在の小田急の経営状況だと厳しいでしょうか・・・
ワタシダ
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最近の小田急の方針としてVSEのような箱根専用観光特急よりもMWやHWのように朝の通勤輸送から夜の輸送まで幅広く使える車両を好むようになってしまったのも原因の1つかもしれません。VSEは編成に無駄がある過ぎるので10両と言いつつも極端に乗車可能人数が少ないですし。
ただ、VSEが完全に引退した後も外見内装落ち着きのあるこういう異質な特別感をもったロマンスカーは導入してもらいたいですけどね。方針からして難しそうですが。
ワタシダ
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話は若干逸れますが、小田急の決算関連の資料で今春のダイヤ改正による減便で60両程度の保有車両の減少を見込めると発表がありました。
その中にVSE2編成が含まれているのかは定かではありませんが、現在残る1000の未更新車は置き換え無しの余剰廃車になる可能性も高くなりそうですね。
5000の新造も現在製造中の5060Fで当分打ち止めの可能性も高そうです。
ワタシダ
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ロマンスカーの方向性を見直したらどうかと言う声もありますけど、むしろ逆に時代に合わせて観光需要も両立しつつ、日常利用の客層を取り入れる考え方というのは当然では?と思うところ。
ワタシダ
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ワタシダ
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ワタシダ
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近年の小田急ロマンスカーはそれまでの観光目的から日常利用という新たなコンセプトを切り開いており、コロナ禍のこのご時世では正にそれが相応しいと言えるでしょう(同様の事例として京成スカイライナーや南海ラピート、名鉄特急や南海サザンなどが挙げられます。これらのうち前者2列車は近年、本来のコンセプトである空港アクセスから一線を画した使われ方をしており、対する後者2列車は元々日常利用をコンセプトとしていることからこちらは想定通りと割り切れるでしょう)。
ワタシダ
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今でこそ地方私鉄で活躍している車両たちですが、小田急時代はハイデッカーであるがゆえバリアフリーに対応できず、廃車になるという運命になっています。
特にRSEは小田急で初めてダブルデッカー車を連結しており、HiSEよりも特徴的な車両だったと思います。
VSEにもこれらの車両と同じようなことが言えますが、記事でもたまに触れているように、ロマンスカーは日常利用へどんどん舵を切っており、EXEやMSEのような車両が増え、今後特徴的な車両はもう登場しないのでしょう。個人的にはNSEやRSEのような車両がまた登場してほしいと思います。開業100周年を機に、小田急にはロマンスカーをもう一度見直してもらいたいです。
ワタシダ
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白より目立つ赤の方が、観光客にはウケがいいのかもしれません…
ワタシダ
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ワタシダ
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