複々線化によって高架や地下の区間が増加し、東京都内を走る小田急の車窓は大きく変化しました。
しかし、そんな中にあって変わらない景色となっているのが、通過する際に車両がよく映る謎のビルの存在です。

車窓を眺める際の名物にもなっているこのビルは、どのような建築物でいつ頃から存在しているのでしょうか。

小田急の車両が綺麗に映るビル

小田急の車両に乗って外を眺めていると、突如乗っている車両が綺麗に反射して映るビルに遭遇します。
あっという間に通り過ぎてしまうため、映っているのは僅かな時間ですが、あまりにも綺麗に映るので驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この面白いビルがあるのは千歳船橋の新宿方すぐの場所で、下り列車に乗車している際に進行方向を正面として左側、小田急らしく表現すると海側にあります。

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全面がガラスになっているビルには、このように車両が綺麗に反射し、1両が完全に映るのです。
写真は1000形の1051Fを使用したツアーに参加した際に撮影したもので、一般の乗客がいないことが幸いし、このような写真を撮ることができました。

ビルの正体と建設された時期

千歳船橋のすぐそばに建っているこのビルは、立石建設株式会社の本社です。
ガラスの内側は普通の執務室だと思われますが、中はほとんど見えないため、実際にどうなっているのかは分かりません。
中が見えないからこそ、車両が綺麗に映るともいえますね。

小田急の利用者にとって、あまりにも身近な存在となっているこのビルは、いつ頃から存在していたのでしょうか。
この付近が高架になる前から存在していたことは確かでしたが、調べてみても建設時期は分かりません。
そこで、私が確認可能な過去の映像を確認してみたところ、だいたいの時期が分かりました。

まず、1980年8月の時点では、この場所にビルはありません。
そもそも高い建築物自体があまりなく、だいぶ景色が違っています。
ビルの姿を確認できるのは1984年11月で、この4年間のどこかのタイミングで建設された可能性が高そうです。

40年近く前からこのビルが存在し、長年に渡って小田急の車両を映し続けてきたことになります。
身近な存在になっているのもうなずけますね。

おわりに

小田急の車両が綺麗に映る建物として、テレビ等でも取り上げられたことがあるこのビル。
千歳船橋付近を通過する際には、是非外の景色に注目してみて下さい。