開業時は利用者が少なく、駅の規模が大きい割に閑散としていた小田急の新百合ヶ丘駅。
1980年代から周辺に大規模な住宅が建設されるようになり、1990年代からは駅周辺も急速に発展しました。

今回の記事では、新百合ヶ丘の利用者がどのように増えてきたのかを振り返ってみたいと思います。

閑散としていた昔の新百合ヶ丘駅

新百合ヶ丘は、多摩線の開業に合わせて1974年に開業した駅で、待避線を設けた小田原線のホームを外側に配置し、その間に多摩線用のホームが設けられています。
駅の規模は3面6線となっており、近年は全ての種別が停車するようになりました。

20190216_03

周辺には商業施設が集まり、終日に渡って駅は混雑しており、小田原線と多摩線の乗換客も加わることで、階段やエスカレーターが詰まることも日常となっています。
利用客の増加に合わせて過去に駅の改良が行われており、今後も大規模な改良工事が予定されているようです。

現在は賑やかな新百合ヶ丘ですが、開業当時は雑木林に囲まれており、駅自体も閑散としていました。
各駅停車と急行を乗り換える駅という状態が長く続きましたが、1990年代に商業施設が次々と建設され、周辺にマンション等も増えたことで、一気に賑わう駅へと変貌していくこととなります。

1日平均乗降人員の推移

1990年代に利用者が一気に増えた印象が強い新百合ヶ丘ですが、数字としてはどれぐらい変わっているのでしょうか。
1日平均乗降人員の推移を、5年単位で見てみましょう。
単位は年で記載していますが、数字は各年度のものです。

1975年:14,054人
1980年:23,016人
1985年:38,139人
1990年:69,548人
1995年:84,342人
2000年:99,791人
2005年:106,525人
2010年:121,119人
2015年:124,747人
2020年:91,516人

この推移から分かることは、1985年から1995年頃にかけて、急速に利用者が増えているということです。
駅の大規模な改良工事が行われたのもこの頃で、利用者の増加に合わせられていたことがうかがえます。
エルミロードがオープンしたのは1990年代で、利用者が増えて商業施設が建設され、さらに人を呼び込む好循環が生まれたことが分かります。

2000年代は一度利用者の増加が鈍化していますが、百合ヶ丘との間に大規模なマンションが建設された影響からか、2010年にかけて12万人を超えています。
しかし、直近は新型コロナウイルス感染症の影響で10万人を大きく下回り、1990年代後半の水準となってしまいました。

おわりに

新百合ヶ丘が賑やかになってきたように感じた時期と、乗降人員が多くなっている時期は一致していました。
横浜市営地下鉄が延伸することでどのような変化が起きるのか、今から楽しみに待ちたいと思います。