鉄道を安全に運行するため、欠かすことができない設備となっているのが信号機です。
小田急の運転士は、線路脇に設置されている信号機が示す条件に従って運転を行い、列車のスピードをコントロールしつつ走行しています。

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信号機の色によってスピードを落としていることは分かるものの、小田急の場合にはどのようなパターンがあるのでしょうか。

小田急で身近に見られる信号機

鉄道では様々な種類の信号機が使われていますが、最も身近で見られるものといえば、自動車用の信号機にも似た、色灯式信号機と呼ばれるものでしょう。
緑、黄、赤の3色を使うことは自動車用と同じですが、点灯する順番が赤から緑に進むことや、点灯している色の組み合わせで制限速度が示されるという違いがあります。

小田急では、場内信号機、出発信号機、閉塞信号機等で見られ、駅や沿線で身近な存在となっています。
これらの信号機に従って運転士はスピードをコントロールし、安全に車両を走らせているのです。

鉄道には閉塞という概念があり、線路を一定の区間で区切り、その区間内に二つ以上の列車が入らないようにすることで、先行列車に衝突することを避けています。
信号機はその先にある閉塞の制限速度を示しており、表示内容によって予め決められている速度まで落とし、次の閉塞へと入ることとなります。

信号機の表示内容による制限速度

鉄道の信号機を眺めていると、緑と黄が同時に点灯するというような状態を見ることができます。
色としては3色ですが、これらの組み合わせによって複数の制限速度を示すようになっており、鉄道の専門用語ではこれを現示と呼びます。

現示のパターンによる制限速度は、鉄道会社や路線によって異なっており、統一はされていません。
小田急の場合は、以下の現示と制限速度を使用しています。

進行現示(緑):区間最高速度
減速現示(緑・黄):75km/h
注意現示(黄):45km/h
警戒現示(黄・黄):25km/h
停止現示(赤):停止

このように比較的シンプルな内容となっており、25km/h刻みで分かりやすいものです。
緑の点灯の場合には、駅間ごとに決められた区間最高速度までスピードを上げることができますが、前が詰まっていそう等の状況であれば、ゆっくりと走る場合もあります。
信号機によって可能な現示は異なっており、路線や区間の特性に合わせたものが設置されています。

ラッシュ時や遅延が発生している時には、なかなか現示が変わらずにいらいらすることもありますが、これらの信号機によって安全な運行が行われているという証でもあります。
声が大きい運転士の場合、信号機の現示を喚呼しているのが分かりますので、先頭車に乗った際にはそんなことも楽しんでみてはいかがでしょうか。

おわりに

今回の記事は、鉄道が好きな方なら知っていて当たり前の内容かもしれません。
鉄道信号は難しい内容が多く、誰にでも分かるように簡略化して書いているため、細かいことまでは記載していない点については、ご容赦いただけますと幸いです。