新宿サザンテラスの人工地盤があることで、小田急の新宿駅手前は空が見えません。
新宿1号踏切付近から駅までの線路上が覆われており、地上ホームも含めて地下区間のような雰囲気となっています。

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元々は空が見えていたこの区間は、いつ頃からこのような状態となったのでしょうか。

線路の上にある新宿サザンテラス

新宿駅の地上ホームを出た小田急の電車は、新宿1号踏切の手前まで人工地盤の下を走ります。
壁があるわけではないため、うっすらと光が差し込みますが、地下を走っているような暗い空間となっています。

この巨大な人工地盤の上は、小田急グループが運営する新宿サザンテラスで、店舗等が配置される遊歩道があります。
新宿サザンテラスは、新宿テラスシティの一部を構成しており、線路上の空間を有効利用しているのです。

甲州街道を挟んで、新宿駅の西口までを結ぶ導線でもあり、冬季にはイルミネーションのライトアップも行われています。
上を歩いていると、下を電車が走っているような雰囲気はないため、気付かずに通っている人もいるかもしれません。

いつまで新宿駅の手前は空が見えていたのか

さて、本題に戻りましょう。
現在は人工地盤で空が見えない新宿駅の手前ですが、昔は当然このようなものはありませんでした。
新宿1号踏切から撮影された昔の写真では、広い空が見えていたことがよく分かります。

新宿サザンテラスがオープンしたのは1998年3月20日であり、この時点では確実に人工地盤が完成していたことになります。
1980年代は確実に空が見えていて、1990年代に見えなくなった記憶がありますが、人工地盤はいつ頃築かれたのでしょうか。

だいたいの時期を導き出すために、写真や映像を使って調査をしてみました。
1990年については、やはり記憶のとおりでその兆候すらなく、1993年6月の時点でも人工地盤はありません。

人工地盤があるのを確認できたのは1996年4月で、オープンの約2年前には確実に空が見えなくなっていました。
この頃はまだ工事中の様子ではあるため、比較的早期にある程度人工地盤は完成していたのでしょう。

これ以上の時期を絞り込むことはできませんでしたが、小田急サザンタワーの着工が1994年9月であることから、これより少し後ぐらいである可能性が高そうです。
いつから空が見えなくなったのか、工事中の頃の写真があれば見てみたいものです。

おわりに

昔は地上ホームを出発するとすぐに明るくなり、地下ホームから出る時との違いを感じたことを思い出します。
今はどちらから出ても暗いため、地上か地下かの違いを感じにくくなったかもしれませんね。