徹底的なリニューアルが行われて新車同然に生まれ変わりながらも、一部の編成が未更新のまま廃車となっている小田急1000形。
そのような状況の中、リニューアルが進められていた1092Fが営業運転に復帰し、綺麗な姿を見せてくれています。

1000形のリニューアルは、1092Fが最後になるのではないかといわれていますが、今後の車両更新はどのようになっていくのでしょうか。

リニューアルを終えた1092Fが営業運転に復帰

1000形の10両固定編成として、1092Fは最後の未更新車となっていました。
未更新車がどんどん減る中で貴重な存在でしたが、いつまでもそのままということは当然なく、2021年の春に運用を離脱しました。



運用を離脱してから約1年、1092Fはリニューアルを終えた綺麗な姿となり、2022年2月26日より営業運転に復帰しました。

20220226_01

これまでの編成と同様に徹底的なリニューアルが行われており、新車と遜色がないレベルに仕上げられています。

1092Fが加わったことで、1000形の更新車は合計98両となりました。
全196両の丁度半分が更新車となっており、内訳は以下のとおりとなります。

【4両】
・1057F
・1063F
・1064F
・1065F
・1066F
・1067F
・1069F

【10両】
・1091F
・1092F
・1093F
・1094F
・1095F
・1096F
・1097F

現時点で次の編成が入場している様子はなく、他の形式の動向も踏まえると、1000形のリニューアルはこれで終了となる可能性が高くなってきました。
仮にそうである場合、多種多様な編成が存在した1000形は4両と10両に再編され、比較的少数の形式として今後活躍することとなります。

小田急における今後の車両更新

4両と6両の未更新車が残っているため、まだ1000形のリニューアルが終了したと断定することはできません。
しかし、既に3000形の更新が開始されている様子であり、4両や6両の今後の扱いを考えた場合、一区切りとするには丁度よいタイミングであることは間違いありません。



気になるのは、やはり3000形の3265Fから更新がスタートしたであろうという事実です。
2000形、3000形の初期車を飛ばしていることは、それらの飛ばされた編成の先行きが怪しいということにも繋がります。

しかし、これらの編成は更新こそされていないものの、一部の機器を交換することや、内装の手入れは行われています。
大規模なことはしないが、軽い延命工事を行うことでしばらくは使おうという姿勢は、思い返せば見え隠れしていました。

さて、気になるのは3000形がどのように更新されるかです。
8000形や1000形と比較した場合、更新を開始する時期が若干早まっており、車両の状態もそこまでは悪くないと考えられます。
その内容が1000形と同等レベルとなるのか、もう少し軽いものになるのかによって、3000形の今後の運命も決まってきそうです。

仮に1000形と同等レベルでの実施となれば、当然全編成への施工は不可能に近くなりますから、編成によって明暗が分かれるような結果となることが予想されます。
一方で、更新内容を限定的な範囲とした場合には、更新のペースを早めることが可能となるため、違った展開になりそうです。
今後の展開を予測するうえで、3265Fがどのような姿となるのかは、重要な意味を持つことになりそうです。

おわりに

1092Fのリニューアルが終わったことで、一区切りとなりそうな小田急の車両更新。
次に更新される車両がどのような姿になるのかによって、小田急の方向性が見えてきそうですね。