少しずつ数を増やし、5060Fの登場によって100両に到達することとなる小田急5000形。
2020年に営業運転を開始して以降、老朽化した車両を置き換え、徐々に通勤型車両の主力となってきました。

帯の配色が変化したことで、最初は少し違和感があったというのが正直な感想ですが、最近は5000形を見ると安心感を得られるようになっています。
本日の記事は個人的な感想に近い内容ですが、お付き合い下さい。

5000形の前面デザイン

通勤型車両としては、2000形以来の拡幅車体を採用し、車内が広々していると感じる5000形ですが、帯の配色や車番の配置が変更されたことで、これまでの小田急の車両とは少し違った印象を受けます。
最初はそのような部分に違和感があったのですが、慣れもあるのか最近は安心感を得られるようになりました。

その理由は何なのだろうと考えてみた時に、最近は前面デザインの要素が強いのではないか、そんなことを思うようになりました。

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5000形の前面は、前照灯の間に尾灯を兼ねた装飾灯があるのが特徴で、先頭に立つ際にはここが白く光ります。
帯は右側にアクセント的に配置されており、今までの小田急の車両にはないデザインとなりました。

このように新しいデザインながら、どこか小田急ファンとして安心感があるのは、左右対称の構造にあるのではないか、最近はそんなことを思うのです。
近年になるほど、他社でも左右非対称の前面構造は増加傾向ですが、小田急は2000形まで左右対称の構造が継続されていたことから、そのイメージが強いのかもしれません。

左右非対称のイメージが強かった千代田線の6000系

小田急の通勤型車両で、前面の構造が左右非対称となっているのは、現在も活躍する3000形と4000形です。
3000形は前面窓を左側で分割し、4000形は貫通扉を左側に寄せています。
これは視認性を向上することや、コストの面が理由と考えられますが、3000形が登場した際にはついに小田急も非対称かと感じたものです。

昔から小田急を見てきた私にとって、左右非対称の構造は他社の車両、千代田線の車両というイメージが強くありました。
その後の日本の鉄道車両のデザインにも大きな影響を与えており、左右非対称の前面を持つ車両の代表格ともいえるでしょう。

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3000形や4000形は、細かい部分を見なければ比較的左右対称の構造ではあるものの、左側に寄っているというのは6000系に通じてしまうのかもしれません。
これは60000形(MSE)についても同様で、登場時はかなり違和感がありました。

そこまでじゃないだろうというお叱りを受けそうですが、このあたりの印象は世代によって異なる気もしており、年齢が上であるほど違和感が強いのかもしれません。

おわりに

昔は左右非対称のデザインが珍しく、地下鉄の車両以外では、関東だと京王6000系が目立っていたことを思い出します。
現在も関西の車両は左右対称のデザインがほとんどですが、地域性もあって面白いなと感じています。