現在までに98両がリニューアルされ、新車と同水準だと表現してもよい状態となっている小田急1000形。
残念ながら一部の車両は廃車となっていますが、リニューアルが行われた編成については、これからも当面は元気に活躍することが期待されます。

そんな1000形の更新車に乗ると、更新前と比較してかなり快適になったと感じますが、それにはどのような点が関係しているのでしょうか。

徹底的にリニューアルが行われた車内

小田急の車両更新は、近年になるほど車内の改良に力が入れられるようになりました。
更新の際には、昔から化粧板の交換等はされていましたが、9000形の6両からは暖色系への変更が行われるようになり、8000形からはLEDスクロール式の案内表示装置が設置される等、年々改良の項目が増えていきます。

1000形については、8000形以上に車内の改良が徹底的に行われており、現在増備されている5000形と遜色がないレベルに仕上げられています。

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更新車の車内はこのようになっており、8000形と比較した場合、袖仕切の大型化、扉上の液晶ディスプレイの設置が目立ちます。
内装のデザインは森と風をイメージした色調とされ、近年の小田急では珍しい配色が採用されました。

更新車の車内デザインについては、Style -Train Graphics-さんが詳しくまとめていますので、合わせてご覧下さい。



私個人としては、青系の爽やかな色が採用された座席が素敵だと思っており、現在の小田急で見られる内装では最も気に入っています。
そして、更新車に乗車してみると、デザインだけではない快適性の向上にも気付かされます。

快適性が向上したポイント

内装が一新されているため、快適性が向上するのは当たり前ともいえますが、普通に乗っているだけでは気付きにくい細かい部分でも、1000形の更新車は改良が行われています。
少し古い写真ですが、更新前の車内をまずは見てみましょう。

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座席が交換される前の状態ですが、最も大きな変化としてはやはり袖仕切の交換でしょうか。
しかし、車内全体を見てみると、構造的な部分はあまり変更されていないことが、この写真からは分かると思います。

快適性を向上させた気付きにくいポイントとしては、座席の寸法が若干広げられていることがあげられます。
1000形は元々従来車より若干広くなっていますが、袖仕切りの交換に合わせてさらに広げられており、1人あたりの幅も広くなっています。
更新車の座席を見ると、端が段差部分にかかるようになっており、上手に処理されていることが分かります。

細かい部分では、車端部にある消火器についても、扉の出っ張りがなくなっており、その部分に座る乗客の邪魔にならないように改良されました。
その他、冷房装置の交換によって動作音がかなり静かになっており、車内はかなり静かになりました。

このように、気付きにくい部分での細かい改良も行われていることで、更新車の快適性は高められているのです。

おわりに

細かい部分にもこだわり、徹底的な改良が行われたことが伝わってくる1000形の更新車。
新車の5000形とは異なる独自の要素も多くあり、素敵な車内に仕上がっていることを改めて感じさせられます。