登場してから現在まで、8両で各駅停車を中心に使われている小田急の2000形。
小田急の車両としては地味な存在ですが、将来的な10両化や、東京メトロの千代田線に乗り入れることを考慮していたというエピソードもあります。

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結局は8両のまま使われ続けることになった2000形ですが、もしも当初の想定どおりに進んでいたら、どのように車両が入れ替わったのでしょうか。

想定されていた10両化と千代田線への乗り入れ

新宿から本厚木までを往復する各駅停車の主力として、2000形は8両が9編成在籍しています。
そんな2000形が登場したのは1995年のことで、2051Fと2052Fの2編成が8両で登場しました。

登場当初から、8両で各駅停車や準急を中心として使用された2000形ですが、将来的には10両化や千代田線への乗り入れをすることが想定されていました。
8両で登場してはいるものの、基本設計としては10両が前提となっており、現在も中間車を2両抜いた構成のままとなっています。
千代田線への乗り入れについても、1000形と同様に車体幅を若干狭くしているほか、乗り入れ用の機器を搭載するための準備工事もされていました。

しかし、現在の状況が示しているように、10両化が行われることはなく、千代田線への乗り入れは4000形が担うこととなりました。
側扉の幅が広いことを、営団地下鉄(現在の東京メトロ)側が嫌がったというような説を耳にしますが、事実はよく分かっていません。
10両化についても、今後の組み替えを含めて行われる可能性は限りなく低いとみられ、当初の想定とは違う使われ方をしてきたといえるでしょう。

どのように車両を入れ替えるつもりだったのか

当初の想定とは異なり、8両のまま使われ続けることとなった2000形ですが、10両化をした場合にはどのようにして車両を入れ替えるつもりだったのでしょうか。
事実は何も分かりませんが、当時の車両事情を考慮しつつ、考えてみたいと思います。

まず、この入れ替えに関係してきそうな車両といえば、2600形と1000形の2形式だと考えられます。
それぞれの形式ごとに見ていきましょう。

2600形については、2000形が増備される頃に6両から8両への組み替えが行われていました。
この組み替えは途中で中止となってしまいますが、2000形の10両化が行われなかったことにも、若干関係しているのかもしれません。



8両化が計画どおりに進んだと仮定した場合、2600形は22編成から14編成に再編されたと考えられます。
つまり、各駅停車に使用する車両が、8編成少なくなります。

1000形については、千代田線への乗り入れ用として、4両と6両を繋いで10両としている編成がありました。
当時は4編成ずつがそれに該当していましたので、2000形の10両を千代田線の乗り入れ用として投入した場合には、1000形が40両余ります。
4両は2編成を繋いで8両に、6両は単独でそのまま使うと仮定すると、各駅停車用として6編成が確保できます。

足りない分は、2000形を8両のままとした編成があれば補えるため、編成数が合わないことは説明が可能なことに加え、最初の2編成がその役割を想定していたのかもしれません。
増発が必要な場合には、その分必要となる2000形を増備すればよく、そのようなことを考えていたのではないのかなと思うのです。

おわりに

何らかの事情によって、2000形は8両のままで使われ続けることとなってしまいました。
最初の2編成が登場して以降、増備車がなかなか登場しなかったことも、計画どおりに進まなかったことと無関係ではないのかもしれませんね。