小田急で最も在籍両数が多く、利用者としては見かけない日がないぐらい走っている3000形。
全体的に無駄を省いた設計とされていることから、車両に対する好みは分かれるようです。
車両の整理が進んだことで、最近は比較的地味な使われ方をするようになった3000形ですが、過渡期の小田急を支えるという、重要な役割を担って登場した車両でもありました。
全体的に直線的なデザインとなったことや、外見をあまり重視していない印象から、コストダウンを徹底した車両が登場したと感じたものです。
当時の小田急は、製造からの年数が経過して老朽化が進んだ車両が多く在籍し、複々線化に向けて車両の性能を向上させつつ、それらを一気に置き換える必要に迫られていました。
その一方、途中駅で頻繁に行われる分割併合により、異なる形式の車両を繋いで走らせることが避けられず、古い車両に性能を合わせつつ、置き換えを進める必要があったのです。
両立が難しいこれらの問題を解決するため、3000形では大量増備のためにコスト削減を行いつつ、加減速性能を従来の車両より向上させることとしました。
小田急では従来車との併結運転を可能とするために、1000形まで電磁直通ブレーキという古い仕組みが採用されましたが、3000形ではブレーキ読み替え装置を搭載することでこの問題の解決を図り、現代では標準となっている電気指令式ブレーキの採用に踏み切りました。
これらの対応により、最新の装備を採用した車両の大量増備を行いつつ、従来車と分け隔てなく使用することを実現し、運用上の制限を生まずに置き換えを進めることができました。
車両性能の違いは、併結運転時に3000形の性能を抑えることで従来車に合わせたほか、単独で走行する際にはその性能を余裕とすることで、在籍車両の性能向上が進められました。
1次車で採用されたワイドドアが、2次車以降は一般的な幅に変更となったほか、3次車からは足回りも大きく変更されました。
これは3000形を増備する時期において、車両の標準化が進められた時代背景によるもので、増備が進むごとに小田急オリジナルの要素が薄まることとなります。
大きな変更以外にも、細かい部分での仕様変更が積極的に行われ、時代の要求に素早く車両が合わせられていきました。
3次車以降の編成は一見すると同じように見えますが、細部では変更点が色々とあるため、研究すると面白い部分でもあります。
そして、3000形は固定編成化による先頭車の削減にも寄与しました。
8両固定編成の増備により従来車の4両を置き換えたことに加え、中間車を増備して3000形自体の10両固定編成化が進められ、編成の中間に入る先頭車は減少を続けています。
現在の3000形は、頻繁に見られた他形式との併結もほとんどなくなり、単独で走行することが基本となっています。
車両が入れ替わる時期を支えた3000形でしたが、ようやく落ち着いた使われ方ができるようになってきたのかもしれませんね。
車両の過渡期を支えるという重要な役割が終わり、3000形は徐々に余生へと突入しつつあるのかもしれません。
全体的に無駄を省いた設計とされていることから、車両に対する好みは分かれるようです。
車両の整理が進んだことで、最近は比較的地味な使われ方をするようになった3000形ですが、過渡期の小田急を支えるという、重要な役割を担って登場した車両でもありました。
大量増備と車両性能の向上
小田急史上最も大量に増備されることとなる3000形は、2001年に最初の編成が登場し、それまでの車両とは何もかもが異なる姿は驚きをもって迎えられました。全体的に直線的なデザインとなったことや、外見をあまり重視していない印象から、コストダウンを徹底した車両が登場したと感じたものです。
当時の小田急は、製造からの年数が経過して老朽化が進んだ車両が多く在籍し、複々線化に向けて車両の性能を向上させつつ、それらを一気に置き換える必要に迫られていました。
その一方、途中駅で頻繁に行われる分割併合により、異なる形式の車両を繋いで走らせることが避けられず、古い車両に性能を合わせつつ、置き換えを進める必要があったのです。
両立が難しいこれらの問題を解決するため、3000形では大量増備のためにコスト削減を行いつつ、加減速性能を従来の車両より向上させることとしました。
小田急では従来車との併結運転を可能とするために、1000形まで電磁直通ブレーキという古い仕組みが採用されましたが、3000形ではブレーキ読み替え装置を搭載することでこの問題の解決を図り、現代では標準となっている電気指令式ブレーキの採用に踏み切りました。
これらの対応により、最新の装備を採用した車両の大量増備を行いつつ、従来車と分け隔てなく使用することを実現し、運用上の制限を生まずに置き換えを進めることができました。
車両性能の違いは、併結運転時に3000形の性能を抑えることで従来車に合わせたほか、単独で走行する際にはその性能を余裕とすることで、在籍車両の性能向上が進められました。
時代に合わせた仕様変更
2001年から2007年にかけて大量増備が行われた3000形ですが、頻繁に仕様変更が行われたことも特徴の一つです。1次車で採用されたワイドドアが、2次車以降は一般的な幅に変更となったほか、3次車からは足回りも大きく変更されました。
これは3000形を増備する時期において、車両の標準化が進められた時代背景によるもので、増備が進むごとに小田急オリジナルの要素が薄まることとなります。
大きな変更以外にも、細かい部分での仕様変更が積極的に行われ、時代の要求に素早く車両が合わせられていきました。
3次車以降の編成は一見すると同じように見えますが、細部では変更点が色々とあるため、研究すると面白い部分でもあります。
そして、3000形は固定編成化による先頭車の削減にも寄与しました。
8両固定編成の増備により従来車の4両を置き換えたことに加え、中間車を増備して3000形自体の10両固定編成化が進められ、編成の中間に入る先頭車は減少を続けています。
現在の3000形は、頻繁に見られた他形式との併結もほとんどなくなり、単独で走行することが基本となっています。
車両が入れ替わる時期を支えた3000形でしたが、ようやく落ち着いた使われ方ができるようになってきたのかもしれませんね。
おわりに
3000形の使われ方の変化から、小田急の過渡期が終わろうとしていることを実感します。車両の過渡期を支えるという重要な役割が終わり、3000形は徐々に余生へと突入しつつあるのかもしれません。
コメント
コメント一覧 (13)
JR東E231のそっくりさんで構わない。
京王や東急、東武と同じ幅とはいえ、通勤時に乗り比べをさせられると僅かな差が心理上とても痛い。
ワタシダ
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2000形増備じゃいかんのか?と未だに思ってます
ワタシダ
がしました
電磁直通ブレーキとの併結を電気指令式ブレーキで実現すべく採用された読替装置ですが、過去にはJRでE217系に搭載され113系との併結試験が行われたものの技術的問題から採用されませんでした。
近鉄ではシリーズ21に読替装置を搭載して8000系列などとの併結が頻繁にあります。
南海は併結(頻繁な分割併合)を考慮して、一般型は8200・9000系まで電磁直通ブレーキを製造してきましたが、2代目1000系は特急車以外で初の電気指令ブレーキとなりました。その間泉北高速が5000系を導入したものの南海には当初直通していませんでした。理由は当時南海が先述の通り特急型以外に電気指令式ブレーキを保有していなく、乗務員訓練に支障があったためです。南海では読替装置は搭載せず、ズームカー最新の2300系も電磁直通ブレーキで製造しました。
ワタシダ
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と言うイメージが私には強いです。
3000形は
6両初期…支線区間の各停、8000形のお相手
6両後期…支線の各停、1000形更新車のお相手
8両…本線区間の各停
10両…本線区間で優等から各停まで様々引っ張りだこ
と言うような状態がしばらくは続くでしょう。(もちろん8両各停の問題がありますが、その辺の答えは恐らく更新工事云々である程度見えてくるとは思います。)
ワタシダ
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業界雑誌には空調ダクトの構造に起因する、冷房使用時の不快な臭い対策として、ダクト内消臭作業がメンテナンス面の課題のようですが、(実際の臭いの状況は)どうなのでしょう?
ワタシダ
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過度期を支えた車両としては、京阪5000系も挙がります。増え続ける京阪線の朝ラッシュ利用客の乗降時間短縮のために5扉を採用して乗降時間短縮に貢献しました。5000系登場当時の京阪線は架線電圧が600Vで車両の増結が困難な上に、複々線化や架線電圧1500Vへの昇圧を控えており、財政的な事情から製造数は最低限とすることになりました。複々線化や昇圧までの京阪を支えた5000系は、2021年9月4日を持って、半世紀に渡る生涯に幕を下ろしました。
ワタシダ
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中でも電気指令式ブレーキは2000形での採用実績が反映された結果であり、ブレーキ読み替え装置も2000形での試運転の実績が反映された結果やと言えるでしょう。「小田急は遅急」と揶揄された時代に終止符を打つきっかけになったのもこの3000形であり、正に以後の小田急を象徴づける車両でもあります。
今後、3265Fを皮切りにリニューアルされるといった噂も出とりますが果たしてどのような変化を見せてくれるのでしょうか?これからの展開に期待と不安が一杯なこの頃です。
ワタシダ
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3251と3087(2、3号車)を比べると違いが多く見えます。
ワタシダ
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