多くが10両の停車に対応している小田急小田原線の駅の中で、ホームの長さが6両分しかない駅が僅かに残っています。
小田原側の末端区間にそれらの駅があることで、ダイヤを組むうえでの制限が生じていますが、現在のところホームを延長する気配はありません。

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度々本ブログのコメント欄でも話題になることから、改めて現在の状況を整理し、ホームの延長が可能なのかどうかを考えてみました。

6両までしか停車できない小田原線の4駅

長編成化が進められたことで、現在の小田急は10両の列車が多く走る路線となりました。
一昔前は4両や6両の列車が多く走っていたことを思い出すと、小田急の発展には驚くばかりです。

しかし、そんな小田急の中にも、6両の列車までしか停車できない駅が現在も残っています。
江ノ島線内で各駅停車しか停まらない駅と、小田原線の末端区間にある4駅がそれにあたります。
47の駅がある小田原線においては、僅かに4駅だけのホームが短い状況で、かなり少数派ともなっているのです。

その4駅とは、栢山、富水、螢田、足柄で、ホームの長さは6両までの停車に対応した125m程度となっています。
少し前までは開成も同様の状態となっていましたが、こちらは急行の停車に合わせてホームが延長され、10両の列車が停車できるようになりました。
しかし、その他の駅は現在も6両までしか停車ができないことから、急行を6両で走らせざるを得ない状況も発生しています。



見方を変えれば、これらの4駅を10両の停車に対応させれば、ダイヤを組むうえではかなりのメリットがあることになります。

4駅のホームを延長することは可能なのか

僅かに4駅だけとなりながらも、現在のところこれらの駅のホームを延長する気配はありません。
利用状況の面では10両分の輸送力は必要ないものの、この4駅のために急行が6両になっていることを考えると、ホームを延長するメリットは大きいといえます。
6両が8両になるだけでも違うとは思いますが、運用上の制限が残ってしまうため、ホーム自体は10両化が望ましいでしょう。

さて、仮にこれらの4駅のホームを延長しようとした場合、物理的にはそれが可能なのでしょうか。
それぞれの駅ごとに見ていきたいと思います。

まずは開成のお隣りの駅である栢山ですが、ここは問題なく延長が可能だと思われます。
小田原方はホームの直後に踏切がありますが、新宿方にはホームを延長する余裕と用地がありそうです。

一つ小田原方に進んだ富水、こちらは駅の両側を踏切に挟まれており、現状のままだとホームが延長できません。
幸いなのは、新宿方の踏切が比較的小規模で、軽車両等を除いた車両の通行ができないため、代替手段を用意できれば廃止をすることは可能かもしれません。
しかし、農業用の車両が通行していそうなので、その点の調整は大変そうです。

さらに進んで螢田ですが、小田原方はホームの直後に踏切があり、延長は難しそうです。
新宿方は少し離れた場所に踏切があるため、なんとか10両分までは延長できそうに見えますが、線路のすぐ近くまで建物が迫っているため、ホームはかなり狭くなると思われます。
仮に新宿方の長さが足りない場合には、小田原方の踏切を若干であれば動かせそうなため、延長自体はできそうな気がします。

最後に足柄ですが、ホームの前後にある踏切までの距離は余裕があるものの、副本線や留置線が設けられている関係で駅の構内が広く、簡単には延長ができないと考えられます。
仮に延長をするとした場合、物理的には副本線を廃止してしまうのが簡単そうですが、当然それによるマイナスの影響も多々あることでしょう。

各駅の状況を見て分かったことは、簡単ではないがやろうと思えばできるというところでしょうか。
運用上のメリットをどこまで考えるかという点に尽きると思われますが、可能性としてはあるのかもしれません。

おわりに

ホームが短い駅が減ったことで、デメリットが目立つようになってしまったこれらの4駅。
簡単にはホームの延長ができない駅もありますが、江ノ島線の全駅を10両に対応させることに比べれば、実現するハードルは低いかもしれませんね。