2022年3月12日のダイヤ変更以降、末端区間の運行が分離された小田急の江ノ島線。
一部の列車を除き、藤沢から片瀬江ノ島までは、6両の各駅停車が折り返し運転をするようになりました。

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短い区間を同じ車両が行ったり来たりする状況となっていますが、1日を通してどのように車両が動いているのでしょうか。

往復運用に入る車両の動き

藤沢から片瀬江ノ島までは、6両の車両が2編成で行ったり来たりしています。
終点での折り返し時間は短く、乗務員が忙しく前後を交代し、車両が折り返すのが日常となりました。

2編成だけで折り返し運転を行うため、藤沢と片瀬江ノ島を発車するタイミングはほぼ同じで、本鵠沼と鵠沼海岸の中間付近で両編成はすれ違います。
20分もすれば同じ車両が戻ってくるため、今までとはだいぶ違う印象の路線となりました。
往復の運用に入る車両は、平日と土休日で違った動きで末端区間に集まります。

平日の1本目は、朝早くに相武台前の留置線を出発し、相模大野から各駅停車として運用を開始、そのまま片瀬江ノ島まで来た後はひたすら藤沢までの往復をして、夜遅くに相模大野へと戻ります。
これがA15運用で、1日で完結する折り返し運用です。

2本目は前日の夜に各駅停車で藤沢に到着し、そのまま夜を明かした車両で、早朝から深夜までひたすら末端区間を往復した後、片瀬江ノ島でまた夜を明かします。
これがA31運用で、翌朝は片瀬江ノ島から相模大野へと向かい往復の運用から解放されます。

土休日は少し運用が異なり、1本目は早朝に大野総合車両所を出庫して、相模大野から各駅停車で片瀬江ノ島へ向かった後、末端区間を往復して最終的に相模大野まで戻ってきます。
これがA24運用で、平日とは異なる運用の列車が往復する役目を担いますが、2本目の動きは平日と同様で、A31運用がその役目を担っています。

末端区間を走る唯一の10両急行

基本的には6両の各駅停車が往復する末端区間ですが、一部には違う列車もあります。
往復をしない6両の各駅停車の中にも、相模大野から片瀬江ノ島までを走り通す列車が僅かに設定されています。

それ以外にも、特急は藤沢を超えて片瀬江ノ島まで走る列車が多く、タイミングによっては往復する各駅停車以外の列車を見ることができます。



気になる存在としては、早朝に設定されている急行の新宿行きがあり、片瀬江ノ島を出発する唯一の10両編成となっています。
これは前日に快速急行として藤沢まで来た列車が、片瀬江ノ島まで回送されて留置されるもので、翌朝は急行で戻っていきます。

留置場所の都合や、1日に1本ぐらいは10両を入線させておきたいということだと思いますが、わざわざ入れているような印象もある気になる存在です。

おわりに

ダイヤ変更の前とは、何もかもが変わってしまった江ノ島線の末端区間。
藤沢での乗り換えの不便さはありますが、比較的高頻度の運行は維持されているため、実際に使ってみた印象としては、そこまで不便さは感じませんでした。
毎日使う方と、たまに使う場合とでは印象も異なるでしょうから、どのような印象が多いのかも気になるところです。