改良工事が進められている小田急の中央林間駅では、昨年の11月に新しい改札口の使用が開始されました。
これは東急の田園都市線と乗り換える際の導線を増やすことを主な目的としており、ラッシュ時を中心とした混雑の分散を図ることが狙いです。

新設された改札口は交通系ICカード専用で、機能を制限したその姿は、未来の改札を想像させてくれます。

中央林間駅の改良工事

小田急の中央林間では、2019年度から改良工事が実施されています。
これは鉄道駅総合改善事業として実施されており、国と大和市からの補助を受け、駅機能の高度化が進められているものです。

この改良工事では、旅客が滞留する状況を解消するべく、ホームの拡幅や階段の移設が行われます。
エスカレーターの設置も予定されているほか、トイレの改修も行われ、今よりも利用しやすい駅となります。
今後はホームドアの整備も予定されており、工事の進捗によって駅の姿がどんどん変わっていきそうです。

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この改良工事の一環として、2021年11月27日に東口改札の使用が開始されました。
東急の田園都市線に乗り換える導線を増やし、街の東側へのアクセスを向上させることが目的となっており、交通系ICカード専用の自動改札機のみが設置されています。
磁気券等の切符には対応しないことで、設備としては最小限の構成とされ、自動改札機の台数はそこそこ多いものの、かなりシンプルな改札口となりました。

機能を制限した改札の未来

メインの改札口ではないということで、中央林間の東口改札は係員が不在、交通系ICカード専用とされましたが、このように機能を制限した改札は今後増えていくのかもしれません。
同様の改札口は参宮橋にも設置されていますが、当然コストの面では有利であり、ないよりはましという観点で考えた場合には、歓迎できる部分もあります。

自動改札機のコストダウンを進めるにあたって、磁気券に関する機能を省略することは、導入の面でもメンテナンスの面でも大きなメリットがあります。
物理的な動作部がなくなることで、自動改札機の構造がかなり簡略化できるためです。
切符が詰まるといったトラブルも起きないため、係員を不在にしやすくできるという面もあるでしょう。

今はインターホンが設置されているだけではであるものの、将来的には映像が映る機器が導入されたりしそうですから、係員の不在問題は少しずつ解決していきそうな気もしています。
そうなった場合には、平面で出入りできるような位置関係にありながら、わざわざ階段の昇り降りが発生しているような場所において、小規模な改札口を設置するようなこともやりやすくなりそうです。
今以上に自動改札機のコストダウンが進む必要がありそうですが、そんな未来を一人の利用者としては期待してしまいます。

おわりに

磁気券を使う機会は、私の場合だと入場券で駅の構内に入る時ぐらいになってしまいました。
メインではない改札口は、中央林間の東口改札のようなパターンが今後は増えていきそうですね。