複数の編成を併結して8両や10両を運転していた小田急ですが、5000形の増備によって徐々に固定編成の割合が増加しつつあります。
1000形の廃車が進んだことで、4両と6両を組み合わせた組成はほぼ8000形でしか見られなくなりつつあり、分割併合が盛んに行われていた時代は遠い過去となってきました。
今後小田急ではさらに固定編成化が進むと思われますが、多くの編成が固定編成となることで生じる問題について、今回は考えてみたいと思います。
昔の名残で、現在も4両と6両を繋いだ10両は多数走っていますが、運用上は10両固定編成で全く問題がない状況となっています。
このような状況であることから、4000形や5000形は全て10両固定編成で増備されており、3000形も中間車を増備して10両化した編成が存在します。
現在も複数の編成を組み合わせているパターンは、1000形の4両同士を繋いだ8両、8000形の4両と6両を繋いだ10両、8000形か1000形の4両と3000形の6両を繋いだ10両が見られますが、まとまった本数が見られるのは8000形のみで組まれる10両だけとなっています。
今後8000形が廃車されると、ほとんどが固定編成となるばかりか、1000形の4両も廃車となる頃には、全てが固定編成となる可能性すらあるのです。
1000形の更新車がすぐに廃車となることは考えにくいとしても、10年、20年先の未来には、箱根登山線の問題を解消しない場合には、確実に4両の車両を用意する必要があります。
また、東武が野田線の5両化を行うことからも分かるとおり、鉄道の利用者は少し前の水準にある程度は戻るとしても、長期的には人口の減少と連動してさらに減っていくことが予想されます。
そのような時期になった場合、固定編成化を進めすぎると需要の変化に対応しにくくなる可能性が高く、最近の流れを続けることにはリスクも伴います。
固定編成化は効率的な反面、柔軟性を犠牲にする面もあるため、ある程度は4両や6両を残しておくほうがよいのではないかと思うのです。
一方で、近年相次いでいる車内での凶悪事件においては、逃げ道として貫通編成の重要性も認識されつつあります。
柔軟性とは相反する部分であり、難しい問題ともいえます。
現状の設備面のままであるとしたら、4両、6両の編成については、今後も確実に必要となりますが、そのあたりも踏まえて考えてみたいと思います。
まず、8両については最終的になくしてしまうことが、効率の観点からもよいと思われます。
8両がなくなれば、4両を2編成繋いで代走をする必要もなくなるからです。
今後もまとまった数が必要な編成は、6両と10両で間違いありませんが、問題は10両をどこまで固定編成とするかです。
10両での運転がなくなることはないでしょうが、日中を中心に過剰な輸送力となる可能性は十分にあり、現状でも区間によってはそうなっていることを考えれば、ある程度の本数を4両と6両の組み合わせにしておいたほうが、輸送需要の変化への対応は容易といえます。
ダイヤが乱れた際の対応を考慮しなければ、日中は4両を切り離して6両で運転することで、最適な輸送力とすることもできるでしょう。
利用客自体の減少が顕著となってきた場合には、それぞれを別の編成として使いつつ、4両を6両化するといった対応を行うことで、変化への対応はしやすそうです。
さて、先ほど8両はなくしたほうがよいと書きましたが、あえて残すパターンも検討できるように思います。
この場合には、4両をなくしてしまうのがよいと考えており、近年の小田急には存在しなかった2両を復活させます。
箱根登山線には2両を2編成繋いだ4両を使いつつ、6両と8両に2両を増結して予備車を減らすパターンです。
小田急はあまりやりたがらないようには思いますが、10両は予備車がない本数で運用を行い、6両と8両に多少の余裕を持たせることで、柔軟性を持たせることができます。
利用客自体の減少が顕著となり、長い両数の編成が余剰となってきた場合には、2両を活用して組み替えることを予め想定しておけば、そういった事態にも対応ができるのではないでしょうか。
2両のパターンを想定する場合、そもそも組み替えがしやすい設計にしておくという方法もあります。
これも小田急はあまり好きではなさそうですが、今後の輸送需要が読みにくい以上、ある程度の先頭車を残しつつ組み替えを容易にしておけば、変化への対応はやりやすくなります。
いずれにしても、ほぼ全てを固定編成とし、短い編成を最低限にしてしまうと、輸送需要の変化に対応しにくくなることは間違いありません。
小田急が今後も固定編成化を進め続けるのか、増え続ける10両固定編成を見ていると、そんな未来のことを心配してしまいます。
これから先、10年、20年先を見据えた場合に今のまま進めてよいのか、一度再検討が必要な時期となりつつあるのかもしれませんね。
1000形の廃車が進んだことで、4両と6両を組み合わせた組成はほぼ8000形でしか見られなくなりつつあり、分割併合が盛んに行われていた時代は遠い過去となってきました。
今後小田急ではさらに固定編成化が進むと思われますが、多くの編成が固定編成となることで生じる問題について、今回は考えてみたいと思います。
固定編成化を進め続けることで生じる問題
分割併合を頻繁に行うために、4両と6両を組み合わせて8両や10両を組成していた小田急ですが、現在は通勤型車両による分割併合がなくなったため、営業中に切り離しや連結を行うことがなくなりました。昔の名残で、現在も4両と6両を繋いだ10両は多数走っていますが、運用上は10両固定編成で全く問題がない状況となっています。
このような状況であることから、4000形や5000形は全て10両固定編成で増備されており、3000形も中間車を増備して10両化した編成が存在します。
現在も複数の編成を組み合わせているパターンは、1000形の4両同士を繋いだ8両、8000形の4両と6両を繋いだ10両、8000形か1000形の4両と3000形の6両を繋いだ10両が見られますが、まとまった本数が見られるのは8000形のみで組まれる10両だけとなっています。
今後8000形が廃車されると、ほとんどが固定編成となるばかりか、1000形の4両も廃車となる頃には、全てが固定編成となる可能性すらあるのです。
1000形の更新車がすぐに廃車となることは考えにくいとしても、10年、20年先の未来には、箱根登山線の問題を解消しない場合には、確実に4両の車両を用意する必要があります。
また、東武が野田線の5両化を行うことからも分かるとおり、鉄道の利用者は少し前の水準にある程度は戻るとしても、長期的には人口の減少と連動してさらに減っていくことが予想されます。
そのような時期になった場合、固定編成化を進めすぎると需要の変化に対応しにくくなる可能性が高く、最近の流れを続けることにはリスクも伴います。
固定編成化は効率的な反面、柔軟性を犠牲にする面もあるため、ある程度は4両や6両を残しておくほうがよいのではないかと思うのです。
一方で、近年相次いでいる車内での凶悪事件においては、逃げ道として貫通編成の重要性も認識されつつあります。
柔軟性とは相反する部分であり、難しい問題ともいえます。
最適な両数の組み合わせを考える
仮に短い両数の編成を多数残すとした場合、最適な両数の組み合わせはどうなるのでしょうか。現状の設備面のままであるとしたら、4両、6両の編成については、今後も確実に必要となりますが、そのあたりも踏まえて考えてみたいと思います。
まず、8両については最終的になくしてしまうことが、効率の観点からもよいと思われます。
8両がなくなれば、4両を2編成繋いで代走をする必要もなくなるからです。
今後もまとまった数が必要な編成は、6両と10両で間違いありませんが、問題は10両をどこまで固定編成とするかです。
10両での運転がなくなることはないでしょうが、日中を中心に過剰な輸送力となる可能性は十分にあり、現状でも区間によってはそうなっていることを考えれば、ある程度の本数を4両と6両の組み合わせにしておいたほうが、輸送需要の変化への対応は容易といえます。
ダイヤが乱れた際の対応を考慮しなければ、日中は4両を切り離して6両で運転することで、最適な輸送力とすることもできるでしょう。
利用客自体の減少が顕著となってきた場合には、それぞれを別の編成として使いつつ、4両を6両化するといった対応を行うことで、変化への対応はしやすそうです。
さて、先ほど8両はなくしたほうがよいと書きましたが、あえて残すパターンも検討できるように思います。
この場合には、4両をなくしてしまうのがよいと考えており、近年の小田急には存在しなかった2両を復活させます。
箱根登山線には2両を2編成繋いだ4両を使いつつ、6両と8両に2両を増結して予備車を減らすパターンです。
小田急はあまりやりたがらないようには思いますが、10両は予備車がない本数で運用を行い、6両と8両に多少の余裕を持たせることで、柔軟性を持たせることができます。
利用客自体の減少が顕著となり、長い両数の編成が余剰となってきた場合には、2両を活用して組み替えることを予め想定しておけば、そういった事態にも対応ができるのではないでしょうか。
2両のパターンを想定する場合、そもそも組み替えがしやすい設計にしておくという方法もあります。
これも小田急はあまり好きではなさそうですが、今後の輸送需要が読みにくい以上、ある程度の先頭車を残しつつ組み替えを容易にしておけば、変化への対応はやりやすくなります。
いずれにしても、ほぼ全てを固定編成とし、短い編成を最低限にしてしまうと、輸送需要の変化に対応しにくくなることは間違いありません。
小田急が今後も固定編成化を進め続けるのか、増え続ける10両固定編成を見ていると、そんな未来のことを心配してしまいます。
おわりに
ホームドアの問題や、車両自体のシステム化が進んだことで昔よりも難しいのだとは思いますが、需要の変化に応じた両数の変更がしにくいことも同時に厄介であり、固定編成化が進んだ影響を感じる部分です。これから先、10年、20年先を見据えた場合に今のまま進めてよいのか、一度再検討が必要な時期となりつつあるのかもしれませんね。
コメント
コメント一覧 (14)
1950年代の2200形が2両固定編成で登場しました。その後2両編成の新造は無いと思います。
1960年代に2両編成が不足し、2220形、2300形、2320形が4両から2両編成に改造されています。
1959年に登場した2400形は4両固定編成、1964年に登場した2600形は最初は5両固定編成でした。
ワタシダ
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通路ができたと思いますが、あれって結構難しいのでしょうか?
ワタシダ
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ワタシダ
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運転台付きはお金が掛かるんですよ。増して現在の小田急には無いMc車を用意すれば、設計の汎用性まで失われてそこにもお金が掛かります。
2連なんて今後は東武など2連を単独で運用する会社以外は作らないでしょうね。小田急ではあり得ないし、6+4も非効率極まりないです。他社のように本線格の区間ですら最長編成が入線できない路線ならしょうがないとしても、小田急は主要路線が10連で終点まで走れます。困るのは江ノ島線の各駅停車とか本線末端・箱根登山線だけで、これらは4両を最低数、残りは6両として、6両から2両抜き取れば4両の一時的な確保もできるんですよ。
そう考えれば2連はおろか、4+4すらも必要無いです。
最低が2M2Tの4両で済む小田急は、Mc車の需要ゼロであり、固定編成に囚われず、「4両の緊急予備は6両からMMを抜く」とすれば、全部貫通固定編成で、極一部にMMの抜き取りがしやすいよう抜き取るMMの前後だけ密着連結器とした編成を用意するか、中間棒連結器をその都度分解して組み替えるだけで、スッキリ最低数に整理できるんですよ。年中事故や故障で4連の予備が2本3本と必要になるわけでは無いので、必要時に車庫で中2両を抜き取れば良いのです。
分割可能な通勤車は、少なくとも小田急では今後製造されることなんて無いでしょうね。
ワタシダ
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東武野田線の5両化は野田出身の私には衝撃的でした。60000系1両を挟む場合の編成美はどうなるのか。新形式は80000系か(8000系に5桁がありますが、今の付番方式なら重複は無いと思うので)など、小田急と同じくらい興味がつきません。
ワタシダ
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4連運用は極端に走行距離が少ないので経年経った6連から機器更新&減車して必要数確保すれば十分。
ワタシダ
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それ以外の解決法ですと、江ノ島線、小田原線の全線10両化でしょうか。
ただ、しばらくは短編成化で対応できそうですし問題ないとは思います。
ワタシダ
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現行の10両運用をすべて貫通編成で賄えるようになれば4両固定は箱根登山線内の運用くらいになるし、10両固定編成が所要運用より少し多めの配置であれば8両運用の代走に入ることも可能ですよね。
あとは江ノ島線各停と新松田~小田原の各停には6両固定が必要になるくらいでしょうか。
ワタシダ
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ワタシダ
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というのは、現行所有車両の設計を流用した製造ができる、設計から新規で行う必要があるから。
この場合国土交通省からの設計認可も改めて取得する必要があり、そのための費用はバカにならない。
さあ、それでも2連を復活させることを推奨するか?
ワタシダ
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ワタシダ
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