小田原線から多摩線が分岐し、終日に渡って多くの列車が行き交う小田急の新百合ヶ丘駅。
2020年度における1日の平均駅別乗降人員では全70駅中の8位となっており、約90,000人が1日に利用しています。

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ホームドアの設置も計画されているようですが、公式発表では大規模な改良工事に合わせての整備を計画しているとの記載が続いており、具体的な時期や内容は不明なままです。
新百合ヶ丘の大規模改良工事は、いつ頃行われると考えられるのでしょうか。

今後予定されている大規模改良工事

2022年度の鉄道事業設備投資計画において、引き続きホームドアの整備が進められることが明記されました。
小田急では、1日の利用者数が10万人以上の駅に設置するという方針で進められていますが、今後は鉄道駅バリアフリー料金制度の活用が検討されているとのことなので、他の駅も含めて設置の動きが加速する可能性もあります。

発表の中では、新百合ヶ丘と藤沢の両駅について、大規模な改良工事に合わせての整備を計画しているとの記載があり、設置の時期が未定の状態が続いています。
藤沢については2018年度から、新百合ヶ丘は2020年度からこの記載が見られますが、具体的な計画はまだ発表されていません。
2019年度の時点では、2022年度に利用者が多い駅での設置を完了する予定でもあったため、新型コロナウイルス感染症による利用者の減少により、計画自体が遅れているものと思われます。

具体的な動きがなく、謎が多い新百合ヶ丘の大規模改良工事ですが、今後予定されている横浜市営地下鉄の延伸に関係していることは、なんとなく想像ができます。
横浜市と川崎市が覚書を交わしたのが2019年であり、小田急が鉄道事業設備投資計画に記載を始めた時期とも合致します。



新百合ヶ丘がどの程度の改良工事を行うのかについては、以前考えてみたことがあります。
ホームドアの設置を控える程度の規模になることは間違いないですが、過去にも大規模な改良工事を行っている駅でもあり、どこまでの工事を行うのかは気になるところです。

想定される大規模改良工事の実施時期

新百合ヶ丘の大規模改良工事が、横浜市営地下鉄の延伸と関係していることを前提とした場合、当然のことながら開業の時期に合わせて動きがあると考えられます。
延伸区間の開業は2030年が目標とされていますが、現状の進捗状況では少々厳しくなりつつあるようにも思われ、遅れることが予想されます。

大規模改良工事自体も、横浜市営地下鉄の開業に合わせて進められると考えられるため、完成は開業と同時期か、その少し後ぐらいになると思われます。
工事の期間は数年間と考えた場合、目標どおりに進めば2025年前後には具体的な動きが出てきそうですが、横浜市営地下鉄の開業自体が遅れた場合には、小田急側も当然遅れてくるでしょう。

現状では、横浜市営地下鉄の新百合ヶ丘駅をどこに設置するのかも発表されておらず、水面下での調整が進められていると考えられます。
駅の設置位置によって、小田急側の工事内容も変わってくるのでしょうから、どうしても動きにくい状態となってしまい、それこそホームドアの設置どころではないともいえます。
線路の下に地下の構造物が必要となれば、相当大きな工事となる可能性もあるでしょう。

小田急の駅のみではなく、横浜市営地下鉄の延伸によって新百合ヶ丘がどこまで変わるのか、その規模によって着工の時期や内容も変わってくるのかもしれません。
いずれにしても、新百合ヶ丘が将来的に大きく変化することは確実で、今後の動きから目が離せなくなってきました。

おわりに

地下鉄が走るようになることは楽しみな反面、現状でも混雑が目立つ駅を見ていると、乗り換え客で溢れる光景が想像できます。
それも踏まえた大規模改良工事だと思われますが、どこまでの変化が起こるのか、今後の発表を楽しみに待ちたいと思います。