アルストムリンク式台車を好み、長年に渡って採用を続けることとなった小田急。
近年はそのような伝統がなくなり、他社と比べた場合の特徴は少なくなりました。

今回の記事では、小田急の歴代の車両がどのような台車を履いているのかを、資料的な側面でまとめてみたいと思います。

引退した車両が履いていた台車

小田急の車両は、2200形でアルストムリンク式の台車を採用して以降、一部を除き同様の台車を採用し続けました。
多くがアルストムリンク式の台車ではあるものの、それ以外の台車を採用している車両もあり、意外とバリエーションがありました。

既に引退している小田急の車両が履いた台車を2200形以降で見ていくと、以下のとおりとなります。

2200形:FS203・FS321
2300形:FS203A
キハ5000形:TS-104
キハ5100形:TS-104A
2220形:FS316
3000形(SE):KD17・KD18
2320形:FS316
2400形:FS30・FS30X・FS330
3100形(NSE):FS46・FS346A・FS346B
2600形:FS060・FS360・FS360A・TS-818A
4000形:PⅢ-706M・PⅢ-706T・TS-814・TS-818・TS-826
5000形:FS075・FS375
9000形:FS085・FS385
7000形(LSE):FS008・FS508A・FS508B
10000形(HiSE):FS033・FS533A・FS533B
20000形(RSE):FS046・FS546

一部の車両を除くと、多くが住友金属工業の台車を採用しており、これが小田急の特徴でもありました。

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異色の車両は4000形で、他の形式とは全く異なる台車が採用されており、乗り心地も異なりました。
特急型車両でも昔は特徴的な台車が使われましたが、最終的には通勤型車両と同じアルストムリンク式の台車に落ち着きました。

現役の車両が履いている台車

車両の世代交代が進んだことで、アルストムリンク式の台車を履く車両は8000形と1000形のみとなってしまいました。
昔はいくらでも見られた台車が少数派となっていることに、時の流れを感じずにはいられません。

現役の車両が履いている台車を一覧にすると、以下のとおりとなります。

8000形:FS016・FS516・FS516A・FS516T
1000形:FS034・FS034A・FS534・FS534A
2000形:SS043・SS143
30000形(EXE・EXEα):SS046・SS146
3000形(2代目):TS-1026・TS-1027
クヤ31形:TS-1028
50000形(VSE):ND-735・ND-735T・ND-736T
4000形(2代目):TS-1033・TS-1033A・TS-1034・TS-1034A
60000形(MSE):ND-739・ND-739T・ND-739TA
70000形(GSE):NS-101・NS-101T・NS-101TA・NS-101TB
5000形(2代目):NS-102・NS-102T・NS-102TA

ターニングポイントはやはり2000形でしょうか。
アルストムリンク式の台車を採用する伝統が終わり、その後は住友金属工業が関与する比率も徐々に低下、最近は日本車輌製造がお気に入りになりつつあるようです。

おわりに

一覧化すると、小田急の台車に関する考え方の変化を感じ取ることができます。
一つ一つに触れていると書ききれないという事情もありますが、この記事ではあえて細かいことは書いていませんので、気になった台車を調べてみてはいかがでしょうか。