小田急江ノ島線の踏切で、2022年5月30日の夕方に軽自動車と電車が衝突する踏切事故が発生しました。
この事故でロマンスカーの70000形(GSE)が損傷し、一部の列車に運休が発生する等、影響が生じています。

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幸い自動車を運転していた方は軽症で、GSEも致命的な損傷はないとみられますが、ロマンスカーの編成数が厳しい状況となっていることが、この事故によって見えてきました。

踏切事故によるGSEの損傷

2022年5月30日の夕方、江ノ島線の藤沢から本鵠沼の間にある踏切において、軽自動車とGSEが衝突する事故が発生しました。
踏切を通過中の電車に対して軽自動車が衝突していることから、何らかの運転操作のミスが原因でしょうか。

電車の乗客に怪我はなく、幸い軽自動車の運転手も軽症で済みましたが、GSEは側面や床下の一部が損傷してしまいました。
事故後は現場で簡易的な応急処置が行われ、一旦片瀬江ノ島に自力回送し、その後も自力で相模大野まで戻っています。
自力回送ができたことからも分かるとおり、車両の損傷自体は比較的軽かったと考えられ、展望席がある貴重な編成が長期で離脱する事態は避けられたようです。

しかし、GSEが修理のために運用を離脱したことから、6月1日から6月3日にかけては車両が不足してしまうようで、モーニングウェイ74号に運休が発生することとなりました。
6月4日からはGSEが復帰するとみられ、平常どおりの運行となるようです。

編成数が厳しいロマンスカーの現状

事前に計画して運休しなければいけないということは、それだけロマンスカーの編成数がぎりぎりの状況となっていることを意味します。
今回はタイミングも悪く、30000形(EXEα)の10両が大野総合車両所に入場中で、そもそも前提の編成数が少ない状況でもありました。

50000形(VSE)が定期運用から離脱したものの、ロマンスカーの運用数は2編成分が減らされておらず、その分予備車を減らしての対応になっていると推測されます。
さらに車両が足りない状況になれば、30000形を10両で運転せず、4両と6両に分けて運休を避ける運用は可能なようですが、今回は影響がモーニングウェイ号だけで済むこともあり、最終的な輸送力も変わらないことから、ややこしいことをせずシンプルに運休という対応にしたのでしょう。
このような事態となった場合には、モーニングウェイ号の運休をすることが想定されていた可能性もあり、一日を通して影響しないように予め考慮されているのかもしれません。

さて、車両が足りなくなった場合に気になるのは、やはりVSEが一時的に代走を行う可能性です。
今回は出番がありませんでしたが、今後も基本的に復活の可能性はないものと思われます。
理由は既に案内等が撤去されているためで、一時的な復活自体が考慮されていないと推測されます。
GSEが再起できないほど損傷するといったことがない限り、定期列車への充当は今後もないのではないでしょうか。

いずれにしても、ロマンスカーの編成数が厳しい状況であることは間違いありません。
このままの状況をいつまでも続けるとは考えにくいため、やはり数年が経過した頃には何らかの動きが出てくるように感じました。

おわりに

2編成しかないGSEの片方が運用から外れると、展望車はたったの1編成となってしまいます。
分かってはいたことですが、この状況はあまりにも寂しく、将来的に観光仕様の車両が再度増えることを切に願います。