車両が走行するレールの下に敷かれ、鉄道の線路を構成する重要な部材となっているマクラギ。
本来は枕木と書き、文字どおり木材が使われてきましたが、近年はコンクリート等が主流となっていることから、マクラギと表記するケースが多いようです。

当然のことながら、小田急でもマクラギが沢山使われていますが、木製のものはまだ残っているのでしょうか。

木製ではなくなってきたマクラギ

レールの下に敷かれている木材は、レールを支える重要な役割を担っています。
木製であることから枕木と呼ばれてきましたが、近年はコンクリートをはじめとした違う部材が使われるようになり、枕木と書かずにマクラギとすることが増えてきたようです。

かつては主流であった木製が減ってきた背景には、耐久性や精度の面で他の部材に劣ることが理由としてあげられ、都市部を走るような鉄道においては、既にほとんど使われなくなっています。
現代の線路を見てみると、多くはコンクリートのマクラギとなっていますが、近年はガラス繊維を使用した合成マクラギも多く見られるようになり、マクラギをレールに対して平行に設置する、ラダー軌道と呼ばれる敷設方法も普及しつつあります。

しかし、多く使われるコンクリートのマクラギも万能ではなく、木製や他の部材と比較して重量があることや、ポイント部や橋梁には適していないという欠点もあります。
そういった場所には引き続き文字どおりの枕木が使われてきましたが、近年はそれも合成マクラギに置き換えられ、昔ほど枕木を見る機会はなくなってしまいました。

小田急に残る木製のマクラギ

木製以外のマクラギが主流になっているのは小田急も例外ではなく、2020年度の開始時点で約8割がコンクリート製のPCマクラギとなっています。
都市部ではラダー軌道も増えており、複々線区間では様々な軌道が見られることも特徴で、工事が長年に渡って行われたことを物語ります。

その一方で、もう木製のマクラギが見られないというわけでもなく、数は減ったもののまだ一部には残っています。

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先日発見した意外な場所としては、藤沢の駅構内にまだ残っていました。
ポイント部は合成マクラギ化が進んでおり、藤沢のような大きな駅に残っているのは意外でした。

木製と合成マクラギを合わせた構成比率は7.4%ですが、そのうちのどの程度が枕木なのかについてはとても気になるところです。
全線を調べるのは不可能に近いですが、枕木がないかなと気にしてみるのも楽しそうですね。

おわりに

年々数を減らし、小田急ではあまり見られなくなった木製のマクラギ。
一部にはまだ残っているようですので、ありそうな場所はこれからも注意深く見てみたいと思います。