最盛期は4編成が活躍し、箱根登山線内を中心に使われてきたレーティッシュカラーの1000形ですが、最後に残った2編成のうち、1061Fが廃車となったようです。
赤い1000形として親しまれた編成は数を減らし、未更新車自体もあと僅かとなりました。

20201115_02

2022年度になっても小田急では通勤型車両の廃車が進められていますが、次の廃車が発生する時期はいつ頃と考えられるのでしょうか。

数を減らす1000形の未更新車

5000形の5060Fが営業運転を開始したことで、2022年度も1000形の未更新車に廃車が発生し、4両の1061Fが廃車となってしまいました。
今回の廃車により、赤い1000形は1058Fのみになり、ついにラスト1編成となります。
最近は1063Fと1064Fが箱根登山線用の固定編成となっていることから、将来的にレーティッシュカラー化される可能性はあるものの、現在のところ更新車がカラーリングを変更する動きはありません。

1061Fが廃車となったことで、1000形の未更新車は残り22両にまで減少しており、現時点で車籍を有する編成は以下のとおりとなっています。

・1058F(レーティッシュカラー)
・1251F
・1253F
・1254F

まとまった数という表現が適切かは微妙なところですが、6両は3編成が残っている状況で、小田原線の町田以西や江ノ島線を中心に活躍を続けています。
数年前に比べると、明らかに未更新車を見かける機会は少なくなっており、方向幕や電磁直通ブレーキを装備する車両は、風前の灯火となりつつあるようです。

次の廃車が発生する時期はいつ頃なのか

小田急が発表している2022年度の鉄道事業設備投資計画によると、5000形は合計で30両が増備される計画で、さらに20両が今後登場する予定となっています。
現時点では小田急に到着していないため、すぐに5000形が増える予定はないものと思われますが、1000形の廃車がしばらくないのかと聞かれれば、絶対にないとはいえない状況です。

2022年3月12日に実施されたダイヤ変更後、小田急では通勤型車両に余剰が生じています。
今後利用者が戻った場合には、再び増発を行う余地自体はあるものの、現時点でみれば車両が余っている状態です。
見方を変えると、5000形の到着を待たずに車両を廃車すること自体は可能であり、以前とは違う状況となっています。

車両メーカーでの目撃情報等を考慮すると、5000形の到着はもう少し先になるものと思われますが、次の編成が営業運転を開始するまで廃車が発生しないのかというと、安心はできない状況といえます。
急いで廃車にする理由もないことから、5000形の到着を待って次の廃車に着手する可能性もありますが、どちらの選択肢となるのでしょうか。
いずれにしても、先行して廃車を進められる状況であることだけは確かですから、1000形の未更新車を落ち着いて体験するなら今のうちといえそうです。

おわりに

数年前までは沢山走っていた1000形の未更新車ですが、ついに引退へのカウントダウンが始まりつつあるようです。
最近は6両で急行として活躍する機会もあり、晩年にしては恵まれた環境にいるのかもしれませんね。