優等列車が主体のダイヤとなっている小田急において、各駅停車は補完的な役割を担う列車となっています。
全線で運転される列車ではありますが、長い区間を通して乗車する利用者は少なく、長距離の移動では優等列車に乗り換えることが基本となっています。

乗客がずっと乗ることはありえませんが、各駅停車として走る小田急の車両は、1日に何回ぐらい駅に停車しているのでしょうか。

現在の小田急における各駅停車の位置付け

比較的路線が長い小田急において、各駅停車は優等列車を補完する役割を担う種別となっています。
昔は都心部を中心に各駅停車が主役となっている時代もあり、多摩線では各駅停車しか運転されていない時期も長く続きましたが、沿線が発展して乗車区間が長くなることに合わせ、優等列車を中心としたダイヤへと変化してきました。

現在も支線では各駅停車の割合が高くなっていますが、小田原線では都心部を中心に優等列車の割合が高く、各駅停車は複々線区間で多くの列車に抜かれることとなります。
各駅停車の本数は昔に比べて減っていますが、その分両数が増強されており、小田原線では8両や10両が基本となっています。

20201212_03

多くの方は快速急行や急行を利用すると思いますが、都心部が複々線になったことや、車両の加減速性能が向上したことで、昔よりも待避に要する時間は少なくなっており、各駅停車で乗り通しても昔ほど時間はかからなくなりました。

各駅停車は1日に何回ぐらい駅に停車するのか

運用によっても異なりますが、小田急の各駅停車は1日に何回ぐらい駅に停車するのでしょうか。
1日を通して各駅停車で走る平日のE34運用を例に、停車回数を数えてみることにしましょう。

E34運用の朝は経堂からスタートし、まずは伊勢原行きとして下ります。
伊勢原で折り返して新宿に向かうと、その後は新宿から本厚木を5往復し、そのまま新宿で留置となって1日が終わります。
各駅停車のみで走る運用としてはかなりシンプルで、運転される時間も比較的長めです。

1日の動きが分かったところで、駅への停車回数を数えてみましょう。
まずは経堂から伊勢原ですが、ここまでで停車回数は26回、折り返して新宿に向かう場合には、始発駅の伊勢原を含まないので35回となります。

新宿と本厚木の往復については、片道で33回、往復では66回となっており、これが5往復ですから、合計は330回に到達します。
これらを全て足すと、最終的な駅への停車回数の合計は391回となります。

さて、せっかくですから、扉の開閉枚数についても数えてみましょう。
E34運用は10両編成となっており、車両の片側には40ヶ所の扉があります。
両開きの扉なので枚数は80枚となり、31,280枚分の扉が開閉されますが、新宿では両側を開閉するので少し増え、1日では31,760枚になると思われます。
イメージがしにくい数字となってしまいましたが、相当多いことだけは確かなようです。

おわりに

朝から晩まで各駅停車で走ると、6往復ぐらいしかできないようで、その分沢山車両が必要なことも分かります。
各駅停車で走るということは、車両にとっても意外と過酷なのかもしれませんね。