リニューアルで組み替えが行われた編成を除き、未更新のまま3編成が残っていた小田急1000形の6両。
3000形のリニューアルが始まったことで先行きが危ぶまれていましたが、残念ながら1253Fが廃車となったようです。

1253Fの廃車により、1000形の6両は残り2編成となりますが、このまま全編成が廃車となってしまうのでしょうか。

5000形の新編成を待つことなく廃車へ

10両固定編成の5000形を増備し、4両と6両の1000形を1セットで廃車にすることで、小田急は車両の置き換えを進めてきました。
今回廃車となった1253Fはこの法則に当てはまらず、5000形の新編成が到着するのを待たずに廃車となりました。

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5000形の増備を待たずに廃車が行われたのは、2022年3月12日のダイヤ変更で減便が行われたことで、通勤型車両に余剰が発生しているためと考えられます。
将来的に増便を行う可能性はあるものの、それまでには5000形の新編成が到着するでしょうから、仮にそうなったとしても現時点で車両が減ること自体に問題はなく、先行して廃車としたのでしょう。

1253Fの廃車によって、1000形の未更新車は16両となり、残る編成は以下のとおりとなりました。

・1058F(レーティッシュカラー)
・1251F
・1254F

今回廃車となった1253Fは、側面の表示窓の形状が異なる異端車で、特徴的な姿も見納めとなっています。



元々はリニューアルと10両化が予定されていたと思われる6両ですが、編成によって明暗が分かれる結果となってしまいました。

残りの6両はどうなるのか

6両編成の1000形については、中間車を組み合わせて10両化されるのではないかという見方もありました。
しかし、既に3000形のリニューアルが開始されていることや、4両の廃車が進められてきたことを考慮すると、1253Fの廃車によって10両化の可能性はほぼなくなったといえそうです。

1000形の未更新車については、今後残る編成も順次廃車が進められると考えられますが、1253Fに続いて廃車となるのか、しばらく時間が空くのかは判断が難しい状況です。
車両の余裕が生じていることを考えると、あえて廃車を先延ばしする理由はありませんが、検査期限までは残しておく可能性もあります。

いずれにしても、1253Fが5000形の到着を待たずに廃車となったことから、引き続き他の編成が廃車となる可能性は高くなったといえるでしょう。

おわりに

更新車が残っているため、1000形自体はこれからも見られますが、電磁直通ブレーキや方向幕を装備する車両は、見納めとなる日が近付きつつあるようです。
少し前の小田急らしさを感じられる最後の車両となった1000形の未更新車を、最後まで静かに見守っていきたいと思います。