小田急で最大の勢力を誇り、全346両が活躍する3000形。
6両、8両、10両の編成があり、2022年度からは6両のリニューアルが開始されています。

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リニューアルは3次車の3265Fからスタートし、現在は3266Fが入場中と推測されますが、なぜ6両を優先して進めているのでしょうか。

6両から開始されたリニューアル

2014年度から進められてきた1000形のリニューアルが終わり、2022年度からは3000形のリニューアルが開始されました。
1000形にはまだ未更新の編成が若干残っていますが、これらはそのまま廃車となる可能性が高く、3000形は2022年度に3編成の6両が更新されます。

最初にリニューアルの対象となったのは3次車の3265Fで、2000形や3000形の2次車までの編成を抜かしての施工となっています。
このことから、2000形や3000形の初期車がリニューアルの対象外となっている可能性は高くなり、3000形の3次車以降が対象になるとみられます。

3次車以降の3000形には、6両、8両、10両の編成が存在しますが、6両は他の編成よりも今後重宝する可能性が高いため、優先的にリニューアルを進めるのでしょう。
来年度以降がどうなるのかは分からないものの、2022年度に6両ばかりが対象になっていることや、今後希少価値が高まることを踏まえると、しばらくは6両のリニューアルを優先していく可能性が高いと思われます。

なぜ6両のリニューアルを優先する必要があるのか

10両固定編成化を進めている小田急において、なぜ3000形の6両を更新する必要があるのでしょうか。
その背景には、現在の小田急において、6両編成をなくすことはできないという事情があります。
小田原線の末端区間や江ノ島線では、ホームが6両分の長さしかない駅があり、これらの区間で各駅停車を走らせるためには、どうしても一定数の6両が必要となってしまうのです。

3000形の6両は、現在の小田急で最も新しい6両のグループであり、リニューアルを行って長く使うことを想定しているのだと思われます。
また、江ノ島線の全駅を10両の停車に対応させる可能性は、3000形のリニューアルが開始されたことでかなり低くなりました。
既に姿を見せている3265Fは、新宿方の電気連結器を撤去していることが確認されており、今後は6両単独で使用することが前提となっているようです。

8000形や1000形の6両が廃車になると、6両が存在する形式は3000形のみとなってしまうため、まだ6両が多く在籍しているうちに、リニューアルを進めたいという思惑もあるのでしょう。
リニューアルの工期という面でも、6両は10両と比較して運用を離脱する期間が短く、効率がよいという事情もありそうです。

さて、8両や10両の編成については、今後どうなるのでしょうか。
10両化を進めている状況を考えると、8両はリニューアルの対象外となる可能性があるものの、10両に対してはいずれリニューアルが行われる可能性が高そうです。
リニューアルが後回しとなった背景には、比較的新しい中間車が組み込まれていることも関係していると考えられ、しばらくは更新時に取り外した機器等を予備として活用しつつ、走らせていくのでしょう。

おわりに

多くの先輩車両を抜かし、3次車からリニューアルが開始された3000形。
比較的更新内容が絞られているようですから、気付いたら未更新車が少ないという状況になってしまうかもしれませんね。