昔は多くの4両編成が在籍していた小田急ですが、車両の長編成化が進められたことで、現在は8000形と1000形に残るのみとなりました。
2000形以降の車両では4両の増備が行われていないため、4両の車両では高齢化が進んでいます。

運用上の理由で、現在も4両は小田急にとって欠かせない存在となっていますが、今後はどのように対応していくと考えられるのでしょうか。

減り続ける小田急の4両編成

2012年に先代の5000形が引退したことにより、4両編成が在籍する形式は8000形と1000形のみとなりました。
その時点での内訳は、8000形が16編成、1000形が19編成となっており、編成数としては比較的多い状況でした。

しかし、リニューアルの際に10両固定編成化が行われたことや、一部編成の廃車が進められたことにより、1000形の4両は最盛期よりも減少しました。
8000形の16編成は変わらないものの、1000形は8編成にまで減少しており、更新車は7編成となっています。

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このような状況の中、未更新で残る1000形の1編成が廃車となるのは時間の問題であり、8000形についても遅かれ早かれ置き換えが始まると予想されます。
これらの車両が置き換えられた場合、小田急に残る4両は1000形の7編成だけとなり、いよいよ最低限の本数だけが在籍する状況となります。

7編成が在籍する1000形の更新車は、今後も重宝されることになると思われますが、いつかは置き換えの時期を迎えるため、そこでどう対応するのかは気になる部分です。

4両編成の未来

現在の小田急において、4両が必要となるシーンは少なくなっており、編成数が減ることは必然ともいえます。
見方を変えれば、中途半端な存在ともなりつつあり、4両に求められる役割はかなり限定的となっています。

最も重要な役割は、箱根登山線の小田原から箱根湯本までの折り返し運転で、今後も4編成程度は必要となりそうです。
それ以外には、4両同士で併結をして8両の代走をすることや、3000形と組んで10両の運用に入る役割があるものの、どちらも昔に比べれば走る本数や頻度が減っています。

7編成という状況は、それらに対応するための最低限の本数といえるかもしれませんが、予備車のことを考えた場合には、ギリギリの状況でもあります。
箱根登山線を再び6両化すれば解決できる部分もありますが、その可能性はあまり高くないでしょう。

そこで考えられることとして、このギリギリの状況が意図的に生み出されている可能性で、将来的に4両をなくす方向性があれば、現在の状況には納得ができます。
8両や10両で見られる2編成を繋いだ運用を完全にやめてしまえば、小田急線内で4両が必要なシーンは完全になくなってしまうからです。
この場合、箱根登山線内の往復用だけに4両が必要となってしまいますが、車両自体を箱根登山鉄道の所有としてしまえば、この問題も解決します。

箱根登山鉄道が自社で4両を所有する場合、1000形を譲渡して長く使うことや、必要な時期に小田急で廃車となる車両を受け入れて、短編成化するといったことになるでしょう。
親会社とはいえ、他社の車両だけで折り返し運転をしている状況ですから、その点を整理することもできそうです。

一方で、小田急が引き続き4両を所有するパターンとしては、4両を活用するシーンを他にも増やすことが考えられます。
人口減少によって利用動向に変化があれば、小田原線や江ノ島線の末端区間を4両化するといったことで、所有する4両の編成数を増やすことができます。
ある程度の編成数があれば、スケールメリットも出てくることでしょう。

おわりに

運用に大きな変化がなければ、4両は箱根登山線のためだけに必要という状況が近付きつつあります。
そうなった場合にどう対応していくのか、1000形の更新車がギリギリの編成数という状況は、いったい何を意味しているのでしょうか。