現代においては当たり前の存在となった、VVVFインバーター制御の鉄道車両。
在籍する全ての車両がVVVFインバーター制御車という鉄道会社も増加し、小田急もその中の一社となっています。
小田急で本格的にVVVFインバーター制御を採用したのは1000形が最初ですが、どのようにして実用化が進められたのでしょうか。
1000形が登場するのが1987年の終わり頃ですから、約2年半前のことでした。
文中では「インバータ電車」と表現されており、交流モーターで走ることにより、保守の低減や省エネルギー化が可能なことが強調されていました。
この頃には他社で実用化もされていましたが、小田急は電動機の大型化や機器の集約を図ることを目指して、開発を進めていると書かれています。
電動車の比率を下げ、保守がしやすい車両を造るという方向性は、この時点で決まっていたことになります。
8000形がどんどん製造される中、次世代車両の開発は並行して進められていきました。
2600形の2662FにVVVFインバーターが搭載され、現車試験が開始されたのです。
試験車となったのは編成中に組み込まれるサハ2762で、本来は付随車である車両に機器や電動機を搭載し、試験が進められることになりました。
編成全てがVVVFインバーター制御とされたわけではなく、元々の抵抗制御とVVVFインバーター制御が混在した状態での試験でした。
改造後に試験を行った後、2662Fはそのままの状態で営業運転にも投入され、これが小田急で乗客を乗せた最初のVVVFインバーター制御車ということになります。
機器が搭載されたサハ2762では、1000形と似たような走行音が奏でられ、元々の電動車と隣り合う部分では、抵抗制御車とのハーモニーも聞くことができました。
今では当たり前となったVVVFインバーター制御の走行音ですが、当時としてはかなり珍しい存在だったことでしょう。
試験は1987年11月まで行われ、翌月の12月には1000形の最初の編成が小田急に到着、竣功しています。
試験の終了後にサハ2762の機器は撤去され、2662Fは本来の2600形へと戻されました。
1000形は1988年3月22日から営業運転に投入され、本格的なVVVFインバーター制御車の時代がスタートしました。
登場当初は小田急側も慎重だったのか、比較的余裕のある使い方がされており、ラッシュ時や土曜急行が活躍の中心でした。
その後はバリエーションを増やしつつ増備が進められ、2000形、3000形の増備へと発展し、小田急は本格的なVVVFインバーター制御車の時代へと突入していくことになります。
30年以上が経過した今日では、この音のほうが当たり前となっていることに、時の流れを感じずにはいられませんでした。
在籍する全ての車両がVVVFインバーター制御車という鉄道会社も増加し、小田急もその中の一社となっています。
小田急で本格的にVVVFインバーター制御を採用したのは1000形が最初ですが、どのようにして実用化が進められたのでしょうか。
VVVFインバーター制御車の開発
まだ8000形の増備が進められている頃、1985年6月30日に発行されたコミュニケート小田急において、VVVFインバーター制御車の開発に着手することが触れられています。1000形が登場するのが1987年の終わり頃ですから、約2年半前のことでした。
文中では「インバータ電車」と表現されており、交流モーターで走ることにより、保守の低減や省エネルギー化が可能なことが強調されていました。
この頃には他社で実用化もされていましたが、小田急は電動機の大型化や機器の集約を図ることを目指して、開発を進めていると書かれています。
電動車の比率を下げ、保守がしやすい車両を造るという方向性は、この時点で決まっていたことになります。
8000形がどんどん製造される中、次世代車両の開発は並行して進められていきました。
2600形で行われた試験
コミュニケート小田急で記事になってから半年後、1986年1月に動きがありました。2600形の2662FにVVVFインバーターが搭載され、現車試験が開始されたのです。
試験車となったのは編成中に組み込まれるサハ2762で、本来は付随車である車両に機器や電動機を搭載し、試験が進められることになりました。
編成全てがVVVFインバーター制御とされたわけではなく、元々の抵抗制御とVVVFインバーター制御が混在した状態での試験でした。
改造後に試験を行った後、2662Fはそのままの状態で営業運転にも投入され、これが小田急で乗客を乗せた最初のVVVFインバーター制御車ということになります。
機器が搭載されたサハ2762では、1000形と似たような走行音が奏でられ、元々の電動車と隣り合う部分では、抵抗制御車とのハーモニーも聞くことができました。
今では当たり前となったVVVFインバーター制御の走行音ですが、当時としてはかなり珍しい存在だったことでしょう。
試験は1987年11月まで行われ、翌月の12月には1000形の最初の編成が小田急に到着、竣功しています。
試験の終了後にサハ2762の機器は撤去され、2662Fは本来の2600形へと戻されました。
1000形は1988年3月22日から営業運転に投入され、本格的なVVVFインバーター制御車の時代がスタートしました。
登場当初は小田急側も慎重だったのか、比較的余裕のある使い方がされており、ラッシュ時や土曜急行が活躍の中心でした。
その後はバリエーションを増やしつつ増備が進められ、2000形、3000形の増備へと発展し、小田急は本格的なVVVFインバーター制御車の時代へと突入していくことになります。
おわりに
登場したばかりの1000形に乗車し、VVVFインバーター制御の音を聞いた際には、その独特な走行音に驚いたことをよく覚えています。30年以上が経過した今日では、この音のほうが当たり前となっていることに、時の流れを感じずにはいられませんでした。
コメント
コメント一覧 (13)
今では1000形も含めVVVF車もモーターの音は静かになりましたが、VVVFの黎明期は発信時に凄く大きな音を発し、加減速の際にモーター音が変化するのが特徴で東急の9000形と並んで動物が吠える様な独特の音が印象的であったと感じています。
ワタシダ
がしました
そんなテスト車とは知らずに乗っても発車時の音の違いで
あれっ? これはもしや…… と思ったものでした
今みたいにかさばらないICレコーダーもコンデジなども無い時代
記録は残せず記憶だけですが……
ワタシダ
がしました
ソフト更新で純電気ブレーキ装備→機器更新でフルSiC化された経緯も両者同じなもので
ワタシダ
がしました
ソフト変更後の起動音は2600に似た音だったのが印象的です。
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
このように小田急におけるVVVFインバーター制御の歴史は2600形の改造を嚆矢として1000形や2000形での採用につながりましたが、それ以降の車両にも脈々と受け継がれ、現在に至るまで鉄道車両における制御装置の主流となっております。
ワタシダ
がしました