小田急で最大の勢力を誇り、全346両が在籍している3000形。
登場当初は6両と8両の編成だけが在籍していましたが、中間車のみを追加で増備することで、12編成が10両化されています。

3000形の10両化には二つのパターンが存在しますが、どのように行われたのでしょうか。

6両からの10両化

3000形の6両は、2001年から2007年にかけて32編成が登場しました。
増備が行われていた当時は分割併合が盛んな時代であり、従来車の6両をそのまま置き換えたため、3000形には大量の6両が在籍することとなりました。

32編成もの大所帯であった3000形の6両でしたが、2008年に分割併合が大幅に削減され、6両である必要性は薄れてしまいます。
そこで、従来車の4両を置き換えるために3000形の中間車を増備し、2010年度から6両の一部を10両化することにしました。

20180616_07

6両から10両化の対象となった編成は以下のとおりです。

3278F:3278-3228-3328-3378-3428-3478
3279F:3279-3229-3329-3379-3429-3479
3280F:3280-3230-3330-3380-3430-3480
3281F:3281-3231-3331-3381-3431-3481
3282F:3282-3232-3332-3382-3432-3482

最終増備車からの5編成が対象となり、新造の中間車を組み込むことで、以下の編成に変更されました。
太字は追加で増備された中間車です。

3091F(旧3280F):3091-3041-3141-3191-3291-3241-3341-3391-3441-3491
3092F(旧3281F):3092-3042-3142-3192-3292-3242-3342-3392-3442-3492
3093F(旧3282F):3093-3043-3143-3193-3293-3243-3343-3393-3443-3493
3094F(旧3278F):3094-3044-3144-3194-3294-3244-3344-3394-3444-3494
3095F(旧3279F):3095-3045-3145-3195-3295-3245-3345-3395-3445-3495

増備された中間車は合計で20両となっており、主電動機は3265F、3664F、3665Fからの流用品が使われたとみられます。
主電動機を供出した3編成については、全密閉式の主電動機に交換されており、騒音が少ない車両の割合を増やすために、このような振り替えを行ったのでしょう。
新旧では編成の順番が入り乱れており、単純ではないことに注意が必要です。

8両からの10両化

3000形の登場から約16年が経過した2017年度には、8両に中間車を追加することで、一部の編成を10両化することになりました。
これは都心部の駅でホームの延長が完了し、各駅停車の10両化を進めることになったためです。

20181028_03

8両から10両化の対象となった編成は以下のとおりです。

3659F:3659-3609-3709-3759-3859-3809-3909-3959
3660F:3660-3610-3710-3760-3860-3810-3910-3960
3661F:3661-3611-3711-3761-3861-3811-3911-3961
3662F:3662-3612-3712-3762-3862-3812-3912-3962
3663F:3663-3613-3713-3763-3863-3813-3913-3963
3664F:3664-3614-3714-3764-3864-3814-3914-3964
3665F:3665-3615-3715-3765-3865-3815-3915-3965

最終増備車からの7編成が対象となり、新造の中間車を組み込むことで、以下の編成に変更されました。
太字は追加で増備された中間車です。

3081F(旧3665F):3081-3031-3131-3181-3281-3231-3331-3381-3431-3481
3082F(旧3664F):3082-3032-3132-3182-3282-3232-3332-3382-3432-3482
3083F(旧3663F):3083-3033-3133-3183-3283-3233-3333-3383-3433-3483
3084F(旧3662F):3084-3034-3134-3184-3284-3234-3334-3384-3434-3484
3085F(旧3661F):3085-3035-3135-3185-3285-3235-3335-3385-3435-3485
3086F(旧3660F):3086-3036-3136-3186-3286-3236-3336-3386-3436-3486
3087F(旧3659F):3087-3037-3137-3187-3287-3237-3337-3387-3437-3487

増備された中間車は合計で14両となっており、10両化の際に3663Fは全密閉式の主電動機への交換が行われ、捻出された4両分は3084F以降の中間車に転用されました。
新旧の編成は順番が逆になっており、後ろからさかのぼるようになっています。

おわりに

このような経緯を辿り、最終的に12編成が10両固定編成となった3000形は、各駅停車から快速急行まで、幅広い活躍をするようになりました。
追加で増備された中間車には若干の仕様差もあり、見比べてみると面白いかもしれません。