東京メトロの千代田線に乗り入れるための車両として、2007年に登場した小田急4000形。
登場から今日まで直通運用を中心に使用されており、2016年からはJR東日本の常磐緩行線にも乗り入れるようになりました。

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歴代の乗り入れ用車両は、ある程度の年数が経過すると相互直通運転から撤退してきましたが、4000形はいつまで使われると考えられるのでしょうか。

定期的に交代してきた千代田線への直通車両

1978年にスタートした小田急と千代田線との相互直通運転は、9000形、1000形、4000形と、定期的に車両が交代してきました。
東京メトロの6000系が、引退の少し前まで相互直通運転を行っていたのとは対照的でしたが、交代後は小田急線内を走る新たな姿が見られる楽しさもありました。

それぞれの形式が直通運転に使われた期間は、9000形が12年、1000形が21年となっています。
4000形は現状で15年となっており、徐々に1000形が活躍した年数に近付いてきました。



小田急では5000形の増備が続けられていますが、千代田線への乗り入れには対応しておらず、乗り入れの役目は引き続き4000形が担っています。
仮に4000形を交代させる場合には、車体の幅を含めて大きく仕様が異なる5000形を用意するか、乗り入れ用の新形式を登場させる必要がありますが、現在のところ交代の気配はありません。

4000形はいつまで相互直通運転に使われるのか

現在のところ置き換えの気配がない4000形ですが、相互直通運転から撤退する可能性はないのでしょうか。
過去のケースを当てはめると、そろそろ新形式に交代してもおかしくない時期ではあるのです。

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しかし、4000形については過去と事情が異なる点が多く、現在も常磐緩行線でのワンマン運転に備えた改造が進められており、数年以内に直通運用から外れることはまずないでしょう。
直通運転に使われる期間は、歴代で最長となる可能性が高くなってきました。

事情が異なる点としては、JR東日本を加えた3社での相互直通運転になったことがあげられます。
その分搭載しなければいけない機器も増加し、現在までに細かい改造が繰り返されており、交代させるのは昔ほど楽ではありません。
4000形自体もJR東日本のE233系をベースとしており、兄弟車両のようになっています。

地下鉄に入線するため、車体幅が狭い車両であることも、地上への転用を難しくしているのかもしれません。
5000形が登場して以降、拡幅車体との違いも以前より目立っており、積極的な転用は進めにくいでしょう。

これらのことを総合的に見ていくと、4000形は引退が近付く頃まで、今のまま使われる可能性が高いように思います。
そして、リニューアルについては行われない可能性があると考えており、ある程度の年数まで手入れをしながら使用して廃車、新形式にそのまま交代となるのではないでしょうか。
その交代時には、JR東日本もE233系2000番台の置き換えを行い、次の世代の兄弟車両が登場する可能性もありそうです。

おわりに

昔とは事情が変わり、直通運転に長く使われる可能性が高くなってきた4000形。
小田急線内用に転用せず、最後まで直通運用に使われる最初の形式になるのかもしれませんね。